稲葉清右衛門氏
稲葉清右衛門氏
(出所:ファナック)

 NC(数値制御)装置を通じて日本の工作機械産業を世界の頂点に押し上げたファナック。現在は工作機械やロボットでも強みを発揮し、IoT(Internet of Things)やAI(人工知能)の活用にも積極的に取り組むなど、日本を代表する企業であり続けている。

 そのファナックを築き上げた名誉会長の稲葉清右衛門氏が、2020年10月2日に死去した。稲葉氏の数々の功績とその現代的な意味合いについて、同社出身者で経営戦略論や技術経営論を専門とする学習院大学教授の柴田友厚氏に寄稿してもらった。

柴田友厚(しばた・ともあつ)
学習院大学 国際社会科学部 教授、東北大学 名誉教授
1959年札幌市生まれ。博士(学術)。1983年京都大学理学部卒業。ファナック、笹川平和財団を経て、1998年筑波大学大学院MBA、2001年東京大学大学院博士課程修了。2004年香川大学教授。2011年4月東北大学教授。2020年4月から現職。主要著作に『製品アーキテクチャの進化論』(白桃書房、2002年)、『日本企業のすり合わせ能力』(NTT出版、2012年)、『イノベーションの法則性』(中央経済社、2015年)、『日本のものづくりを支えた ファナックとインテルの戦略―「工作機械産業」50年の革新史』(光文社新書、2019年)など。国内外の学術ジャーナルへの論文掲載多数。