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 マンションや戸建て住宅に工事単価下落の兆しが見える一方、鋼材価格の上昇で鉄骨造建築の原価が急上昇――。国土交通省の統計データなどを分析した結果、こんな傾向が読み取れた。連載・建築単価ウオッチでも、鉄骨や鉄筋といった鋼材の値上がりが鮮明になっている。こうした工事費(コスト)の変動が、契約価格(プライス)にどう影響するかを解説する。

 前回のコラムでは建築着工統計の年次集計値を基に2020年の東京地区の動向を分析した。その結果、マンション(鉄筋コンクリート(RC)造住宅)では着工床面積や工事費予定額の増加が見られ、工事費予定額を床面積で割った単価も上昇していた。一方、鉄骨(S)造事務所や木造住宅は、全ての値が下落。木造住宅に関しては、高止まりをしていた単価も僅かであるが下落の兆しが見られた。そして、直近に発表された21年1月の月次動向を見ると単価下落の兆候は、マンションにも見られるようになった。

 国土交通省が発表した21年1月時点の建築着工統計では、新設住宅着工数(全国)は前年同月比で戸数3.1%減少、床面積0.1%増加となり、床面積は僅かに増加に転じたが、戸数は19カ月連続で減少した。しかし、首都圏エリアで見ると、戸数は6.6%増となり、地域により需給状況は大きく異なる。

 一方、民間非居住建築物の床面積の前年同月比は、事務所は減少したが、店舗と工場および倉庫は増加、全体では4.9%の増加となった。官民共の増加は、17カ月ぶりである。コロナ禍に伴うオンライン市場の進展により、オフィス需要の減少や物流増加が用途別着工量に寄与している状況が鮮明に表れている。

 下の3つの図は、19年1月から21年1月までに東京で着工が予定されたマンションと木造住宅、およびS造事務所の棟数、着工床面積、工事費予定額、単価(工事費予定額を床面積で割ったもの)の3カ月移動平均値を19年1月の数値を基準値(100)として指数化したものである。

建築着工統計の月次集計値を用いた指数グラフ(3カ月移動平均)(2019年3月=100)RC造住宅・東京(資料:エムズラボ)
建築着工統計の月次集計値を用いた指数グラフ(3カ月移動平均)(2019年3月=100)RC造住宅・東京(資料:エムズラボ)
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建築着工統計の月次集計値を用いた指数グラフ(3カ月移動平均)(2019年3月=100)木造住宅・東京(資料:エムズラボ)
建築着工統計の月次集計値を用いた指数グラフ(3カ月移動平均)(2019年3月=100)木造住宅・東京(資料:エムズラボ)
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建築着工統計の月次集計値を用いた指数グラフ(3カ月移動平均)(2019年3月=100)S造事務所・東京(資料:エムズラボ)
建築着工統計の月次集計値を用いた指数グラフ(3カ月移動平均)(2019年3月=100)S造事務所・東京(資料:エムズラボ)
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 単価は全て21年1月に下落している。マンション単価の前年同月比は、20年10月に-1.0、11月が-0.2を示し、12月が1.6の増加に転じたものの、21年1月は再び-1.2と下落に転じている。同様に木造住宅の単価をみると、前年同月比は20年10月から21年1月に掛けては、-0.8、-1.1、-1.5、-1.7を示し、下落幅が大きくなっている。住宅系は非住宅建築と比較して単価の月次変動が少なく安定しているが、RC造マンション、木造住宅共に単価下落の兆候が読み取れる。

 一方、事務所単価は20年8月と9月に前年同月比のマイナス値が確認できたが、その後はマイナスにはなっていない。しかし、21年1月の指数は大きく下がっており、今後、このマイナス傾向が継続するのか、その動向が気になるところだ。