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 物流、とりわけ貿易業務には手作業がつきものだ。輸出入業者から税関への申告などペーパーレス化された部分はあるが、荷主と物流企業との間のやり取りは今なお紙やファクスが主流。そもそも国・地域や取り扱う商品ごとに規制が異なり、手続き自体も煩雑だ。

 だが、それゆえにITによる改善の余地も大きい。国際物流に眠るデジタルトランスフォーメーション(DX)の鉱脈を掘り当てようと、現在、貿易手続きをオンライン化して顧客の業務効率化を支援する新業態「デジタルフォワーダー」が世界で台頭している。

国際物流の業務はいまだに紙やファクスが主流だ
国際物流の業務はいまだに紙やファクスが主流だ
(出所:PIXTA)
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 日本の草分け的な存在と言えるのが物流ベンチャーのShippio(シッピオ)だ。海上や航空、陸運など輸送手配から通関まで貿易事務を一括して請け負うフォワーダー(混載貨物事業者)であり、かつ国際物流の様々な手続き情報をクラウド上で管理できるサービスも顧客に提供している。

 フォワーダーの中でも同社がデジタルを冠する理由は、見積もりの依頼や輸出入許可書など通関に関する書類の作成、請求管理など貿易管理業務の一切をネット経由で完結できるからだ。輸送中の貨物が税関を通過したか、どこの港の倉庫にあるのかなど輸送状況もオンラインで確認できる。荷主がこのサービスを利用すれば、従来のように輸出入業務の担当者が膨大な紙の書類を管理したり、ファクスでフォワーダーとやり取りしたりといった手間が不要になる。荷主は無料でサービスを利用でき、シッピオはフォワーダーとして輸送手配の手数料を受け取る。

輸出入業務のオンライン支援サービス「Shippio」の取引管理画面
輸出入業務のオンライン支援サービス「Shippio」の取引管理画面
(出所:Shippio)
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 シッピオの創業は2016年。最高経営責任者(CEO)を務める佐藤孝徳氏は三井物産で約10年、原油のトレーディングや企業投資、中国事業の経営企画などに携わった後に起業した。「理想の物流体験を社会実装する」(佐藤氏)と掲げ、フォワーディングと貿易情報管理サービスを通じて、大手フォワーダーの手が回らない中小の荷主企業の国際物流を支援してきた。