
2020年の「デジタルヘルス」分野では、ニュース「メニコンと米Mojo Vision、スマートコンタクトレンズの共同開発契約を締結」が最も読者の関心を集めた。Mojo Visionはスマートコンタクトレンズ「Mojo Lens」の開発に取り組んでおり、拡張現実(AR)を利用してユーザーの視野に文字などを重ねて表示する。コンタクトレンズで実績の豊富なメニコンが共同開発に乗り出したことで、実用化に向けて大きく前進するのではないかと注目を集めた。実現すれば「究極のウエアラブル端末」になるだろう。
20位までの記事を見ると、新型コロナウイルスへの対応や手術支援ロボットに関連した記事が多かった。新型コロナ関連では、2位「楽天が法人向けに新型コロナPCR検査キット提供へ、自宅で唾液を採取」と、16位「いよいよ始まった『自宅でPCR検査』、検体採取はオンラインで遠隔指導」がPCR検査の記事だった。いずれも自宅で実施可能な検査の話題であり、自宅で利用できるようにした各社の工夫に関心が集まった。唾液の輸送時などの二次感染を防ぐために唾液中の新型コロナウイルスを不活化する溶液を開発したり、検体を正しく採取できるように医師が利用者にオンラインで指示したりすることで実現した。
手術支援ロボットは米Intuitive Surgical(インテュイティブサージカル)の「da Vinci(ダビンチ)サージカルシステム」の1強の状態が続いている。その市場に国産ロボットが参入した。5位や6位、17位の記事で紹介したメディカロイドの「hinotori サージカルロボットシステム」である。他に手術支援ロボットを開発している日本企業の例としてはリバーフィールドやA-Tractionがある。2021年は国産ロボットの導入がどれほど進むか、追随する国内企業の開発がどこまで進展するか注目したい。