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【3月29日Xinhua News】中国科学院合肥物質科学研究院はこのほど、「人工太陽」の異名を持つ同研究院の全超伝導トカマク型核融合エネルギー実験装置(EAST)が、近く高度化改造を終える見通しを示した。炉心部の電子温度1億度、100秒間の長パルスプラズマ入射という新たな研究目標に挑み、世界の制御可能な核融合エネルギー研究を新たな高みへと押し上げる。

高度化改造中の全超伝導トカマク型核融合エネルギー実験装置(2021年3月24日撮影)。(c)Xinhua News
高度化改造中の全超伝導トカマク型核融合エネルギー実験装置(2021年3月24日撮影)。(c)Xinhua News
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 同研究院プラズマ物理研究所の王騰(Wang Teng)博士は「万物の成長は太陽に頼るが、EASTは太陽と似たメカニズムを持つことから『人工太陽』と呼ばれる」と説明。石炭や石油、天然ガスは将来的に枯渇する危険があり、しかも一定の環境汚染をもたらすが、「人工太陽」の核融合反応に必要な原材料は地球上に無尽蔵にあり、生成物も危害を生じないため、理想的な「究極エネルギー」と考えられていると語った。

 同研究院副院長でプラズマ物理研究所所長の宋雲濤(Song Yuntao)氏はEASTについて、中国の大型科学プロジェクトで、人類の核融合エネルギー開発に工学と物理実験の基礎を提供するのが目的と説明。完成以来、既に9万6000回余りの実験を行い、これまでに安定的な101.2秒間の定常状態長パルスプラズマの高閉じ込め、電子温度1億度での20秒間のプラズマ入射など世界でも重要な技術的飛躍を成し遂げたという。

 EASTの改造は昨年7月に始まり、先端材料や基幹部品、主要サブシステムなどで一連の重要な高度化が実施された。中国科学院プラズマ物理研究所研究開発センターの呉傑峰(Wu Jiefeng)主任は「装置の高度化は技術的難度が高く、作業量も大きい」と指摘。「『人工太陽』は非常に複雑で、1億度の高温と零下269度の低温を1メートル以内で共存させる必要がある。1万点以上の部品に少しでも瑕疵(かし)があれば、今後の実験が失敗する可能性がある」と述べた。

全超伝導トカマク型核融合エネルギー実験装置の入り口で作業する研究員(2021年3月24日撮影)。(c)Xinhua News
全超伝導トカマク型核融合エネルギー実験装置の入り口で作業する研究員(2021年3月24日撮影)。(c)Xinhua News
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 中国科学院プラズマ物理研究所トカマク物理実験研究室の龔先祖(Gong Xianzu)主任は「1億度で20秒間から1億度で100秒間は大きな技術的飛躍であり、人類の核融合エネルギー研究を新たな高みに押し上げる」と指摘。高度化改造作業は順調に進んでおり、4月末には改造が終わり「1億度で100秒間」の新たな目標に向け突き進むことになると述べた。

(c)Xinhua News/AFPBB News 【翻訳編集】AFPBB News