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 政府は2020年度第3次補正予算案と2021年度当初予算案を一体編成した「15カ月予算」においてデジタル分野を重点的に配分した。特に重視したのが国と地方を通じた行政のデジタル改革だ。

 システムの仕様からインフラ運用まで、中央官庁の縦割りを超えて、地方と国の垣根も崩す。2021年度までの15カ月予算にはそのための政策総動員が反映されている。

 日経クロステックの集計によると、15カ月予算に盛り込まれた主要なデジタル政策への配分は約1.7兆円。うち5158.9億円を行政のデジタル改革関連が占めた。

 地方自治体には総額1789.9億円を用意して、基幹系システムの刷新やオンライン申請などへの対応を後押しする。政府の行政システムは、2021年9月発足予定のデジタル庁(仮称)が約3000億円を握って主導する。これにより省庁をまたがったデータ連携やクラウド移行を前提にした行政システムの調達改革が本格化する見込みだ。

2020年度第3次補正予算案と2021年度当初予算案における主な行政デジタル改革関連の政策
出所:各府省の公表資料を基に日経クロステック作成。単位は億円で100万円の位で四捨五入した
担当省庁予算項目2020年度
第3次補正予算案
2021年度
当初予算案
内閣官房情報システム関連費の一括計上(内閣官房分)94.12699.4
情報システム関連費の一括計上(デジタル庁分)286.8
システム関連費を除くデジタル庁向け予算81.3
政府クラウド(Gov-Cloud)などの検討、実証41.8
総務省地方自治体システム標準化の支援基金1508.6
マイナポータルと自治体システム連携の支援基金249.9
自治体のセキュリティー対策の支援基金31.4
法務省戸籍・登記簿システムなどのオンライン化推進28.987.8
法務・裁判関連のテレワーク強化40.38.6

自治体システム標準化、義務化とセットで資金を援助

 行政のデジタル改革は自治体と政府の両輪で進める。まず自治体に対して、政府は2025年度までに基幹系システムの標準化への対応を求める法案を、2021年1月に召集される通常国会に提出する予定だ。この法案成立を前提に、15カ月予算では標準システムへの移行を後押しする。

 自治体を支援する基金は総額1789.9億円で、3種類に分かれる。1つ目はシステム標準化に対応する自治体向け基金で1508.6億円を準備した。想定する補助対象は、標準システムの構築そのものではなく、行政データ変換といったシステム移行に関する費用だ。標準化への準備費用とも言える。

 要件を満たせば全額を基金が負担する。自治体が標準システムに移行するのは早くて2022年以降になる見通し。今回政府は15カ月予算を使って、自治体を支援するための財源を早めに確保した格好だ。