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 政府は1.7兆円に及ぶデジタル関連予算と2021年度からの新税制によって民間のIT関連投資をてこ入れし、新型コロナ禍で低迷する日本経済を下支えする。日本企業が投じる全IT投資のうち4000億円超に対して、新たな減税措置を設けたり補助金制度を継続したりする。

企業をまたぐデータ連携の投資に減税

 税制の目玉は2021年度中に新設する「デジタルトランスフォーメーション(DX)投資促進税制」。デジタルを活用した企業変革を支援する同税制は2021年度税制大綱の重点分野の1つでもある。

 企業は同税制を適用すると、対象投資の最大5%分の税額控除を受けて法人税を軽減するか、初年度に投資額の30%を特別償却するかを選べる。特別償却は初年度に投資額の30%を費用化でき、減税効果を初年度に得たい場合に向く。

デジタルトランスフォーメーション投資促進税制の概要
デジタルトランスフォーメーション投資促進税制の概要
(出所:経済産業省)
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 2023年3月末までの実施予定で、法改正など制度整備を経て2021年夏ごろにも制度適用の申請受け付けが始まる見通しだ。財務省は総額3000億円規模の制度利用で、2021年度に70億円、2022年度に110億円の減税を見込む。

 実態としては、2018年に始まり2020年3月末で終了した「IoT税制(コネクテッド・インダストリーズ税制)」の復活に近い。IoT税制はIoT(インターネット・オブ・シングズ)やビッグデータを活用してデータを連携させ、生産性を高めるための投資が対象だった。

 IoT税制との大きな違いは、DX投資促進税制の適用には2つの条件がある点だ。1つは経済産業省が創設した「DX認定」を取得すること、もう1つは企業をまたがったデータ連携の仕組みを持つ投資に支援対象を限ること、である。

 前者の条件である「DX認定」は2020年10月から制度が始まったばかり。情報処理推進機構(IPA)が認定し、「経営層がデジタル戦略の立案や実行に関わるか」などを審査する。現在の認定企業は2社にとどまるが、今回の制度で必須条件となったことで注目度が高まりそうだ。