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 2020年12月25日、日本政府は「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」(以下、グリーン成長戦略)を発表しました。再生可能エネルギーを2050年の主力の電源と位置づけ、発電量の約50~60%を再生可能エネルギーで賄うことを見据えながら、今後、議論を深めていくとしています。

 政府がこの再生可能エネルギー源の主役に育てようとしているのが、洋上風力発電です。グリーン成長戦略の報告書の中では、国内の洋上風力産業を成長させるため、(1)魅力的な国内市場の創出、(2)国内サプライチェーンの形成、(3)次世代技術の開発/マーケット獲得、という3つの方針を示しています。

風力発電産業の成長戦略「工程表」
風力発電産業の成長戦略「工程表」
(出所:経済産業省)
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 (1)の国内市場の創出に対しては、導入目標を明示してその達成をコミットする、導入案件の形成を加速化する、インフラの計画的な整備を実施する、の3つの政策で進めるとしています。このうち、インフラの計画的整備では、系統に再エネ由来の電力が優先して入るようなルールの見直し、風力発電基地と電力需要地を結ぶ系統(直流送電)の整備、大型風車の設置・維持管理のための基地港湾の整備を挙げています。

 (2)国内サプライチェーンの形成に対しては、国内調達・コスト低減目標の設定、サプライヤーの競争力強化策、規制緩和などによる事業環境整備、洋上風力人材育成プログラムの用意などで推進することを明らかにしています。(3)の次世代技術の開発/マーケット獲得では、(今後の洋上風力発電の成長市場である)アジアでの展開を見据えた次世代技術の開発や国際標準化・政府間対話などを通じて、後押しするとのことです。

 ここで、日経クロステックの記事『“後進国日本”をアメとルール決めで風力発電に誘導』からクイズを出題します。上記の(1)の国内市場の創出策として、風力発電の案件の形成が加速するように政策で後押しするとしていますが、実は、洋上風力発電を推進するために、2019年に「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律(再エネ海域利用法)」を施行しています。この法律の狙いは、どちらでしょうか。

A.特定の港湾の防波堤沿いなど、陸に比較的近い場所での洋上風力発電ができるようにする

B. 洋上風力発電の促進区域を指定し、そこで発電事業を行う事業者の公募を実施できるようにする