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 上場子会社の再編など、事業の選択と集中の最終局面に入った日立製作所。東原敏昭社長はITの部隊を成長のけん引役と位置付ける。デジタル技術で全社改革を下支えし、連結で悲願の営業利益率10%を目指す。

(聞き手は浅川 直輝=日経コンピュータ編集長、山端 宏実=日経クロステック/日経コンピュータ)

東原 敏昭(ひがしはら・としあき)氏
東原 敏昭(ひがしはら・としあき)氏
1977年日立製作所入社。2014年4月代表執行役執行役社長兼COO。2016年4月取締役代表執行役執行役社長兼CEO(現職)。(写真:村田 和聡)
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新型コロナウイルスの収束のタイミングはいまだ見えづらい状況です。2020年をどう総括しますか。

 特にITの部隊はこの4~5年で収益力がものすごく高まりました。ウィズコロナの状況だったにもかかわらず、2020年7~9月期で13%を超える調整後営業利益率を達成しました。売り上げが2兆円強の規模で2桁の営業利益率をきっちりと出せる体質ができたというのは非常に大きい。

好調の要因は何でしょう。

 一言で言うとクラウド事業が堅調でした。今後は(IoT基盤の)Lumadaのパートナーを増やして世界中に展開したいと思っています。2020年11月には「Lumadaアライアンスプログラム」を発表しました。既に発表時点で24社が集まっています。単に我々がLumada上に他社のソリューションを載せて提供するだけでなく、他社にもLumadaを担いでビジネスをして欲しい。これがアライアンスプログラムの狙いです。

 もう1つ、Lumadaのグローバル展開において重要なのが人材です。10月1日付で米日立ヴァンタラのCEO(最高経営責任者)にガジェン・カンディアが就任しました。彼は(米ITサービス大手の)コグニザントのデジタルビジネス部門の元プレジデントです。彼がリーダーになって、Lumadaのグローバル展開を進めます。

 コグニザントは単にITのメーカーというよりもSI(システムインテグレーション)企業です。私は彼に対して、日立が強みを持つITとOT(制御技術)の融合という部分に大きく期待しています。

「地球全部を見ろ」

2020年には負債引き受けも含めて約1兆円を投じて、スイス重電大手ABBから送配電網(パワーグリッド)事業を買収しました。Lumadaなど日立のデジタル技術と融合して見込む相乗効果は。

 ABBのパワーグリッドが一緒になり、世界中に納入した製品の稼働データなどをクラウド上に全て集め、AI(人工知能)で解析しながら予兆診断ができます。どこの部品が壊れそうか予測して、故障する前に交換部品をあらかじめ届けられるわけです。

 こうした仕組みはトラックリースの米ペンスキーで既に実現していて、約24万台あるトラックの状況をデータで解析して、部品が壊れる前に、運転手に修理工場に行くように促しています。トラックが修理工場に到着する前に交換部品も届いているので、ダウンタイムを最小限にとどめられます。

 今朝のミーティングでガジェンには「地球全部を見ろ」と伝えました。モニタリングするのがパワーグリッドでも鉄道でもメンテナンスデータをクラウドで1カ所に集めておけば、製品を問わず、予兆診断などができるはずです。「そういうことをイメージしてくれ」と話しました。