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 「2025年の崖」が迫るなか、顧客に残る「ラスボス」級COBOL資産のマイグレーションをどう効率化するか――。ベンダー各社は新サービスをリリースしたり、新しい支援体制を構築したりしている。ここでいうマイグレーションとはメインフレームなどで稼働するCOBOL資産をオープン系COBOLやJavaプログラムに変換することを指す。日立製作所とNEC、アクセンチュアの最新動向を見ていこう。

日立製作所はCIを導入

 大規模化するCOBOL資産のマイグレーションを効率化するため、日立はテストの自動化に取り組んでいる。通常のCOBOLマイグレーションでは一般に、現行システムと新システムの処理結果が一致することを確認するテストに多くの工数がかかる。この課題を解決するため、日立は「継続的インテグレーション(CI)」の仕組みをマイグレーション開発に導入する「マイグレーション開発環境構築支援サービス」の提供を2020年6月に開始した。

 CIとは、従来は開発の後半でまとめて実施していたテストやビルド、パッケージングなどを自動的・定期的に実行できるようにする手法だ。プログラムの修正が頻繁に生じる場合、生産性や品質を向上させるのに有効とされる。ラスボス級のCOBOL資産が開発された数十年前にはなかった概念でもある。

 マイグレーション開発環境構築支援サービスでは、多くのラスボス資産で使われる「COBOL85」規格に沿ったCOBOLプログラムを、オープン系に対応した「COBOL2002」規格に沿った形で自動変換するコンバーターを提供する。その他、マイグレーションに必要な各種の開発ツール・テストツールを連携させるのに必要な設定情報(定義)のひな型や、マイグレーション前後で帳票を比較するツール、CIの状況を可視化するダッシュボード、各ツールを連携するCI基盤なども提供する。

マイグレーション開発環境構築支援サービスのイメージ
マイグレーション開発環境構築支援サービスのイメージ
(出所:日立製作所)
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 「コンバーターは性能が向上している。8割以上のCOBOL85のプログラムをCOBOL2002のプログラムに自動変換できる」。日立の新家博文アプリケーションサービス事業部サービスソリューション本部APトランスフォーメーション推進部主任技師はこう話す。

 さらに日立はラスボス資産の多くに仕様書がなかったり当時を知るエンジニアがいなかったりする課題にも手を打った。具体的にはマイグレーション開発環境構築支援サービスに、COBOLプログラムを解析してテストコードを自動生成する機能を搭載した。

 2021年1月時点ではプログラムの外部動作を確認するブラックボックステスト向けに「簡単なテストコード」(新家主任技師)を自動生成する。簡単なものとは言え、スムーズなテストに貢献度が高いと言える。日立は同機能を「順次高めていく」(新家主任技師)考えだ。