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 2021年1月7日、政府は2度目となる緊急事態宣言の発令を決定した。期間は1月8日から2月7日までで、対象エリアは東京、埼玉、神奈川、千葉の1都3県。20年4月に発令した1度目の宣言では、主要建設会社による工事中断が相次いだが、今回はどうか。各社は正式な方針を8日以降に発表していくとみられるが、大半は工事を継続する方針だ。

 菅義偉首相は7日に会見し、緊急事態宣言の具体的な措置4点を説明した。(1)飲食店の午後8時までの営業時間短縮、(2)テレワークによる出勤者数7割減、(3)午後8時以降の不要不急の外出自粛、(4)スポーツ観戦やコンサートなどの入場制限の4点で、「1カ月後には必ず事態を改善させるため、ありとあらゆる方策を講じる」と語った。特に強調したのは「飲食による感染リスク」だ。7日付で政令を改正し、要請に従わない飲食店を都道府県知事が公表することを可能にした。

2020年4月に発令された緊急事態宣言では全国で多くの建設現場が中断した。写真は清水建設が施工する東京都内の現場。「原則として緊急事態宣言終了までの間、閉所する方針」と掲げられていた(写真:日経アーキテクチュア)
2020年4月に発令された緊急事態宣言では全国で多くの建設現場が中断した。写真は清水建設が施工する東京都内の現場。「原則として緊急事態宣言終了までの間、閉所する方針」と掲げられていた(写真:日経アーキテクチュア)
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 20年4月に発令された緊急事態宣言と比較すると、7日に決定した内容は規制の対象が絞られており、経済的な影響は限定的とみられる。例えば東京都では、前回は生活必需品を取り扱わない一部の商業施設や映画館、美術館、運動施設など幅広い施設を対象に休業を要請したが、今回は休業要請をしない。

 対象エリアにおける外出自粛も、前回は昼夜問わず要請したが、今回は午後8時以降にとどめる。小中学校への休校は要請せず、人との接触についても数値目標を置かない。

 もっとも、建設工事については緊急事態宣言の根拠法である新型インフルエンザ等対策特別措置法において明確な言及がなく、都道府県知事の権限で民間発注分を含めた工事の一律停止は要請できない。この点においては1度目も2度目も条件は同じであり、中断か継続かの判断は工事の受発注者に委ねられていると言える。昨年の1度目の緊急事態宣言の際には、西松建設や清水建設などが感染防止などの観点で自主的に工事の一時中断を表明した経緯がある。

 1月7日に日経クロステックが主要建設会社に取材したところ、多くは「8日以降に正式決定するが、工事を継続する方針だ」と回答した。判断を保留している建設会社もあるが、大半は継続方針と言っていい。次ページで具体的に見ていこう。