「陥没や空洞はトンネル工事と因果関係があったと認めざるを得ない。地域の住民や関係者におわび申し上げる」。東京外かく環状道路(外環道)の大深度トンネル工事現場の直上で起こった住宅地の陥没事故を巡り、東日本高速道路会社は責任を認めた。事故後の調査で判明した地盤の状況やシールドトンネル掘進時の施工データ、有識者委員会が想定した事故のメカニズムなどをひもとく。

連載
東京外環トンネル陥没事故はなぜ起きた?
目次
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空洞はいつできたのか、外環トンネル陥没事故に残る謎
東京都調布市で起こった東京外かく環状道路(外環道)のトンネル工事に伴う陥没事故。シールド機が土かぶり47mの大深度地下で土砂を過剰に取り込んだメカニズムが明らかになってきた一方、解明されていない現象がある。陥没の一因となる空洞が表層近くの地中にあらかじめあったのか、それともトンネル工事が原因で空洞…
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排土管理に死角、外環トンネルの“スケールデメリット”が露呈
夜間休止後にカッターを回転できず、復旧作業が必要になった泥土圧式シールド機。復旧作業の過程でシールド機が地山の土砂を過剰に取り込んでいたとして、施工していた鹿島・前田建設工業・三井住友建設・鉄建建設・西武建設JVはその異常に気付けなかったのだろうか。
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夜間休止後にカッター回転できず、外環トンネルのシールド機
陥没や空洞が生じた地点の直下にあった地山の土砂は、どのようなメカニズムでトンネル方向に引き込まれたのか。有識者委員会は施工データの分析に取り掛かった。
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外環トンネル直上に煙突状の緩み、工事と陥没の因果関係認める
「陥没や空洞はトンネル工事と因果関係があったと認めざるを得ない。地域の住民や関係者におわび申し上げる」。東京外かく環状道路(外環道)の大深度トンネル工事現場の直上で起こった住宅地の陥没事故を巡り、東日本高速道路会社は責任を認めた。事故後の調査で、掘進したトンネルの頂部から陥没箇所や空洞箇所まで、地…