デジタル技術を大胆に取り込んで業務を改革し、効率化や新事業の創造などにつなげる経営戦略「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」の波が製造業にも及んできた。製造現場へのDXの本格導入も急加速しつつあるが、多くの現場で障害になっているのが古参の製造機械の数々だ。古すぎてデジタルによる管理や制御が簡単でない一方で、製品の製造自体にはなんの問題もなく、むしろ現役バリバリの20年超選手が多くの現場に残っている。こうした機器にデジタル管理を導入する手法が「レトロフィットIoT」である。

 高付加価値なプリント回路基板(PCB)を手掛けるOKIサーキットテクノロジー(山形県鶴岡市)と、産業用ロボットや工作機械向けの鋳物部品を造っている栗田産業(静岡市)の事例を通じ、レトロフィットIoTの現実解をリポートする。