全932文字
PR

 日本製鉄は室蘭製鉄所・第2高炉で、同社として初めて人工知能(AI)を用いた炉内状況予測システムを導入した。この高炉は改修のため操業を休止し、2020年11月に再稼働させた。AIが熱風の送風量や原料の投下量など「職人技」だった高炉の最適な操業オペレーションを現場オペレーターに提示し、業務を支援する。安定的に操業すると同時に、業務の負担軽減につなげるのが狙いである。

AIによる操業支援を始めた室蘭製鉄所・第2高炉(写真提供:日本製鉄)
AIによる操業支援を始めた室蘭製鉄所・第2高炉(写真提供:日本製鉄)
[画像のクリックで拡大表示]
図 日本製鉄が開発した、高炉の操業支援AI
[画像のクリックで拡大表示]
図 日本製鉄が開発した、高炉の操業支援AI
センサー情報を基に高炉を安定操業

 高炉は鉄鉱石を高温で還元し、鉄鋼製品の基となる銑鉄を作り出す。高炉内部は2200度を超えるため、状態の把握が難しい。現場オペレーターは交代制で1つの炉につき常時1人張り付き、高炉の外壁に付けた圧力計などの情報から炉内の状況を推測して、熱風の送風量、原料の投下量などを調節している。「判断が経験によるところも多く、職人技の世界だった」と山田和治製銑技術部主幹は話す。

 高炉の熟練オペレーターが少なくなる中、職人技に頼り続けるのは限界がある。そこで高炉の外部に付けた約1000個のセンサー情報を基に最適な操業オペレーションを判断できるAIを開発した。