デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展に伴い、新種の人工知能(AI)が爆発的に増える「カンブリア紀」に入った。商品コンセプトに合う香料の配合を考えるAI、高炉の操業支援AIなど多くの企業が自社の業務に合わせて独自に開発している。大手クラウドを中心とした開発支援ツールの充実も背景にある。独自AIの事例と開発ツールの最新動向を紹介する。

独自AI開発ラッシュ
出典:日経コンピュータ、2021年1月21日号 pp.24-36
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
目次
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進化するAI開発ツール、「説明可能」「精度監視」の機能が保守問題もカバー
AI開発ツールが進化している。開発フェーズの全工程に加えて、運用保守フェーズもカバーするようになった。主要3社のAI開発ツールを例に特徴的な機能を紹介する。
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香料の開発期間を半減、ライオンが作ったAIの威力
ライオンは歯磨き剤向けの香料処方である「レシピ」の生成AIを開発した。2021年から実際に新商品の香料開発に活用する。
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30年越しの開発が結実、日本製鉄が諦めなかったAIとは
日本製鉄は室蘭製鉄所・第2高炉で、同社として初めて人工知能(AI)を用いた炉内状況予測システムを導入した。AIが熱風の送風量や原料の投下量など「職人技」だった高炉の最適な操業オペレーションを現場オペレーターに提示し、業務を支援する。安定的に操業すると同時に、業務の負担軽減につなげるのが狙いである。
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「実データでの学習は限界」、フジタが油圧ショベル操作のAI開発に用いた手法とは
フジタは油圧ショベルを自動操作し土を掘削するAIの開発を進めている。2021年にも建設現場に投入し、油圧ショベルの走行から掘削、積み込みまでの自動操作を実証する計画だ。
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5~20年後の肌を予測するAIアプリ、コロナ禍でオルビスが開発したワケ
オルビスはAIによる肌状態の未来シミュレーションをスマートフォンアプリで提供している。顧客がアプリで12の質問に答え自身の顔写真を撮影すると、「シミ」「シワ」「たるみ」といった肌の加齢状況と「潤い」「皮脂量」「キメ」といった肌状態の分析結果に加え、5~20年後の顔のシミュレーション結果を表示する。
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洗い場作業の司令塔はAI、どんぶりも平皿も見分けてロボットアームが運ぶ
「和食さと」などの外食チェーンを運営するSRSホールディングス(HD)は2021年春にも開店させる予定の「天丼・天ぷら本舗 さん天」の新規店舗に、AI搭載のロボット食洗システムを導入する。食器洗いの作業を自動化し、人手不足と人件費高騰に対応する。
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業種を問わず独自AIの開発ラッシュ、2021年は予算5割増
医療、製造など業種を問わず人工知能(AI)の開発ラッシュが起きている。独自のAIはデジタルトランスフォーメーション(DX)に欠かせない手段となった。2021年のAI開発予算は5割増との調査もあり、爆発的に増える見通しだ。
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