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“家電王国”と呼ばれたかつての日本企業の姿はもはやない。まさに崖っぷちの状況だ。生活家電市場に関する過去と直近のデータを基に、市場の現状と今後を端的に示す「数字」を紹介する。

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世界市場の家電シェアで上位に入った
日本メーカーはたったの“25分の2”

 主要家電5品目における世界の出荷台数シェアにおいて、各上位5社、つまり合計25社(重複あり)のうち、ランクインした日本企業はたったの2社。いずれもパナソニックだった。

(出所:ユーロモニターインターナショナル)
社名 2020年のシェア(%) 2011年時点のシェア(%)
全自動 洗濯機 1位 ハイアールグループ(中国) 26.1 14.1
2位 Whirlpool Corporation(米国) 14.1 12.2
3位 Mideaグループ(中国) 13.3 9.2
4位 LG電子(韓国) 6.6 7.0
5位 Electrolux(スウェーデン) 5.9 7.0
電子 レンジ 1位 Mideaグループ(中国) 11.7 7.3
2位 LG電子(韓国) 8.8 10.2
3位 パナソニック(日本) 8.3 10.3
4位 ハイアールグループ(中国) 8.3 0.7
5位 サムスン電子(韓国) 7.8 7.2
冷蔵庫 1位 ハイアールグループ(中国) 23.0 15.6
2位 Whirlpool Corporation(米国) 9.9 8.4
3位 Electrolux(スウェーデン) 6.3 7.7
4位 Mideaグループ(中国) 5.9 4.2
5位 サムスン電子(韓国) 5.8 4.7
エアコン 1位 Mideaグループ(中国) 20.1 11.6
2位 珠海格力集団(中国) 18.3 21.1
3位 ハイアールグループ(中国) 13.0 6.4
4位 LG電子(韓国) 4.2 5.3
5位 パナソニック(日本) 4.2 5.8
掃除機 1位 Techtronic Industries(中国) 12.7 12.2
2位 Dyson(英国) 8.6 5.1
3位 Mideaグループ(中国) 6.6 0.7
4位 Bissell(米国) 5.9 7.1
5位 Electrolux(スウェーデン) 5.8 11.1

+20%
この10年の日本市場の冷蔵庫シェアで
ハイアールは20%増と急拡大

(出所:ユーロモニターインターナショナル)
(出所:ユーロモニターインターナショナル)
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 グラフは、2020年と11年の冷蔵庫の国内シェアを比較したもの。この10年でハイアールがシェアを4.2%から24.2%へと20ポイントも拡大し、1位に浮上した。従来トップだったパナソニックは27.2%から20.1%へと、7.1ポイントも落とした。

 全自動洗濯機でもハイアールは11年の5.4%から22.3%へと躍進して2位。一方、パナソニックは11年には30.6%で1位だったが、20年には12.2ポイントも落として3位に転落している。同社はエアコンでは11~20年までシェア1位を維持しているが、11年比で9.2ポイントも減少させるなど、全般的に苦戦が続いている。