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家電の在り方が変わりつつある。根底にあるのは、消費者のライフスタイルの変化に伴って今の家電がその生活にフィットしなくなってきていることだ。新しいライフスタイルに合わせるために、今、デザインの重要性が改めて問われている。大きな変化が起きる家電市場で、消費者のライフスタイルを生み出してきたデザイナーは今、家電の将来をどう見ているのか。今回はNaoto Fukasawa Design 代表の深澤直人氏に話を聞いた。

 家電の未来を考えると、「形を残そう」ではなく「どうやれば消せるか」を目指しているように見える。家電自体に存在感はもはや不要だ。住まうことや生きることをサポートする設備やサービスの1つとなり、やがて家電というカテゴリーはなくなるだろう。

プロダクトデザイナー。良品計画のデザイナー兼アドバイザリーボードメンバーとして、同社のデザインを数多く手掛ける。(写真:Naoto Fukasawa Design)
プロダクトデザイナー。良品計画のデザイナー兼アドバイザリーボードメンバーとして、同社のデザインを数多く手掛ける。(写真:Naoto Fukasawa Design)

 これからはそのサービスをどう提供するかを考えていかなければならない。それをサポートする冷蔵庫や洗濯機、炊飯器や電子レンジなどの技術はどこかに入るが、その姿は現在のものではない。例えばキッチンやダイニングなどと溶け合ったり、機能が外に出て行くものであって、形がなくなる方向になる。簡単に言えば「アマゾンがご飯を炊いてくれる」というような概念になるのが、これからの未来だ。ご飯を炊くこと自体は存在するが、かつて「家電」と呼ばれた機能は、それを人の口に届けるための媒体にしかならない。必要なのは流通やビジネスそのものの改革。それを誰が提供するのか、そして家電メーカーはどこに入るのかを考え直す必要がある。