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家電の在り方が変わりつつある。根底にあるのは、消費者のライフスタイルの変化に伴って今の家電がその生活にフィットしなくなってきていることだ。新しいライフスタイルに合わせるために、今、デザインの重要性が改めて問われている。大きな変化が起きる家電市場で、消費者のライフスタイルを生み出してきたデザイナーは今、家電の将来をどう見ているのか。今回はexiii design代表の小西哲哉氏 に話を聞いた。

 現在、さまざまな製品の試作や先行開発を手掛けるRDSという会社と車椅子を作っており、そこで取り組んでいるのが「パーソナライズの量産化」だ。座るだけで車椅子のキャンバー角や幅、座面高などを瞬時に計測し、個人の力を最大限に引き出せる「シートシミュレーター SS01」を作り、それを使って計測したデータを基に車椅子を作る。

 これまでの車椅子では職人の勘に頼っていたことをシミュレーションで行い、新しい技術を一般の方にも分かりやすいように見せ、アクティブユーザーからの意見を聞きながらどんどん進化させている。

パナソニックなどを経て2018年にexiii designを設立。義手「handiii」やロボットなどを手掛ける。(写真:exiii design)
パナソニックなどを経て2018年にexiii designを設立。義手「handiii」やロボットなどを手掛ける。(写真:exiii design)

 家電の場合でも、各家庭の求める生活スタイルに合わせてデザインがパーソナライズできるようになればいい。昨今は注文住宅が増え、建て売りでも雰囲気が多様化しているのに、個々の家に家電が合っていない。そこに対応したデザインが必要になるはずだ。今までは機能ありきで選んでいたのが、もっとデザイン軸で選べるようになるといいと思う。

 家電の中でも、ドライヤーのように手に持つものと設置して使うものはデザインに対する考え方が全く異なる。だから、人が手に持つものは、どうやって一番持ちやすくするか、体の形に合ったものにするかが大事になる。一方、置いておくものは住環境をちゃんと考え、買い替えたくなるモチベーションを高められることが大事だ。