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 ただし、ファーウェイ向けの売り上げ減を補うような顧客はそう簡単には見つからない。スマホの販売台数やスマホカメラの多眼化には一服感があり、スマホ頼みの成長には限界がある。韓国Samsung Electronics(サムスン電子)などイメージセンサーで競合する企業の追い上げも激しくなってきた。そこでソニーが期待寄せるのは、車載用途である。21年1月の「CES 2021」では、電気自動車(EV)「VISION-S」の試作車両について欧州で公道走行試験を始めたことを発表した。イメージセンサー事業の持続的な成長に向けて、「事業機会の拡大に挑戦する」(十時氏)。

EV「VISION-S」試作車両は欧州で行動走行試験を開始した(出所:ソニー)
EV「VISION-S」試作車両は欧州で行動走行試験を開始した(出所:ソニー)
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 車載半導体不足の騒動を見ても、半導体メーカーにとって車載分野はそれほど“おいしい”市場ではないことは明らか。それでも将来的な収益の源泉を確保するために、車載用途開拓の重要性はますます高まっている。