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 米Fitbit(フィットビット)を買収するなど、健康管理分野に注力している米Google(グーグル)が新たな手を打った。同社は2021年2月4日(現地時間)、スマートフォンのカメラを使い、人の心拍数と呼吸数を推定する機能を開発したと明らかにした。健康管理アプリ「Google Fit」に同機能を同年3月から導入する。まずは同社のスマートフォン「Pixel」シリーズで利用可能にし、その後、ほかのAndroid端末に広げていく。なお、現在のGoogle Fitの月間アクティブユーザー数は、数百万人だとする。

心拍数と呼吸数を測定できるようになったGoogle Fitのイメージ
心拍数と呼吸数を測定できるようになったGoogle Fitのイメージ
(出所:Google)
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 呼吸数の測定では、インカメラを使って上半身を撮影し、胸の動きなどから呼吸数を推定する。心拍数の測定では、背面カメラのレンズに指を置いて撮影する。指の色のわずかな変化などを検知して、心拍数を推定するという。これら計測で得られた数字は、医学的な診断や病状の評価などに利用するものではなく、変化を追跡して傾向を見ることで健康の管理や改善に生かすためのものと位置付けている。

アプリ内で示される呼吸数や心拍数の測定に向けたガイダンス
アプリ内で示される呼吸数や心拍数の測定に向けたガイダンス
(出所:Google)
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呼吸数や心拍数を測定しているときのアプリ画面
呼吸数や心拍数を測定しているときのアプリ画面
(出所:Google)
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 それでも、両技術とも臨床グレードだとGoogleは自信を見せる。例えば呼吸数は、オプティカルフローから胸の動きを検出する。既に健康な人と、測定に影響を及ぼす可能性がある呼吸疾患を持つ人を対象に、初期の臨床試験を終えたという。その結果、両群とも、平均で1分間1呼吸以下の誤差だったとする。これは、臨床グレードの機器とそん色ない結果だという。

 心拍数の測定では、酸素を含んだ血液が心臓から流れるときに変化する指先の色を検出する。リリース時は指先の色の変化を見ているが、顔色の変化からも心拍数を測定できる技術の開発にも取り組んでいる。こうした心拍数の測定は、一般に「光電式容積脈波記録法(PPG)」と、同法に向けたセンサーを利用する。今回のグーグルの技術であれば、スマホのカメラとソフトウエア(アルゴリズム)だけでそれらを置き換えられるとみている。

 アルゴリズムの性能を検証するために、「フィッツパトリック分類」と呼ばれる方法でカテゴライズした、さまざまな皮膚の色の人々に対して初期の臨床試験を実施した。その結果、すべてのカテゴリーで平均2%の誤差だったという。これも、臨床グレードの機器とそん色ない結果だとする。

 照明や肌の色、心拍数の範囲など、さまざまな環境や健康状態にいる人に対して、初期の臨床試験を実施。それらの結果をまとめた査読前の論文(プレプリント)を数週間以内に公表し、その後、査読済み論文として出版する計画である。