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 「空飛ぶクルマ」と呼ばれるような電動の垂直離着陸(eVTOL)機を手掛けるドイツのスタートアップ(新興)企業Volocopter(ボロコプター)は、「シリーズD」ラウンドとして、新たに2億ユーロ(1ユーロ=129円換算で258億円)を調達したことを明らかにした。今回のラウンドで、NTTや大手リース企業の東京センチュリーといった日本企業が新たに出資者に加わったとする。この結果、同社の調達額は累計で3億2200万ユーロ(同415億3800万円)に達した。こうした資金を、eVTOL機の実用化や同機を利用した商用移動サービス(エアタクシー)の実現などに向けて利用する。今後2年以内、エアタクシーを始めたいとしている。

Volocopterの機体
Volocopterの機体
(出所:Volocopter)
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 Volocopterは、eVTOL機を手掛ける欧州企業の中で、高い実績を誇る。商用機「VoloCity」の実用化に向けて活動中である。既に、欧州航空安全機関(EASA)がVTOL機向けに2019年7月に策定した安全基準(「SC-VTOL」)を満たし、同年12月にEASAから機体の安全認証業務を代行する権限を認める「Design Organisation Approval(DOA)」の認証を受けた。DOA取得により、機体認証プロセスを効率的に進められるという。

 VoloCityは回転翼を18個備えた2人乗りの機体である。搭載2次電池の電力だけで飛行するフル電動型で、最大離陸質量(MTOM)は900kg。巡航速度は最高時速110kmで、航続距離は35kmと、都市部の近距離移動を想定している。商用サービスを開始する都市を発表していないものの、19年に実証試験を行うなど関係が深いシンガポールになる確率が高い。そのほか、欧州や米国、他のアジア地域でも路線を拡大したいとする。

 日本市場にも関心を寄せており、日本企業も出資者に名を連ねる。例えば日本航空(JAL)は、同社のCVC(コーポレート・ベンチャーキャピタル)を通じてVolocopterに出資している。加えて、移動・物資輸送サービスに向けた業務提携も結んでいる。