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 東芝デバイス&ストレージは、パワー半導体素子(以下、パワー素子)などのディスクリート半導体を生産する子会社の加賀東芝エレクトロニクスの構内に、口径300mm(12インチ)ウエハー(基板)に対応する製造ラインを導入する。パワー素子のうち、低耐圧MOSFETやIGBTの作製に充てる。現在の主流は200mmラインで、大口径化によってパワー素子の生産能力を高める。300mmラインの稼働開始は、2023年度上期を予定する。パワー素子向け300mmラインの導入では、パワー半導体最大手のドイツInfineon Technologies(インフィニオンテクノロジーズ)を筆頭に、海外勢が先行している。日本のパワー半導体大手で300mmラインの本格的な導入を明言するのは、今回が初だとみられる。

加賀東芝エレクトロニクスの航空写真
加賀東芝エレクトロニクスの航空写真
(出所:東芝デバイス&ストレージ)
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 東芝デバイス&ストレージはかねて、19年度から23年度の5年間で総額1000億円を投資し、19年度期初比で23年度にパワー半導体素子の生産能力を約1.5倍にする計画を明らかにしていた。既に約200億円を投じており、23年度までに約800億円を投資する。この800億円の投資によって、23年度のパワー素子の生産能力を20年度比で約1.3倍にする見込みだ。今回の300mmライン導入は、こうした増産計画の一環である。300mmラインへの投資額は250億円前後とみられる。

 加賀東芝エレクトロニクスは、パワー素子の前工程の主力製造拠点で、同素子のほか、小信号デバイスやオプトデバイスも生産している。300mmラインの導入により、両デバイスを含めた同社全体の半導体生産能力を、現在に比べて約1.2倍に引き上げるという。

東芝デバイス&ストレージのパワー素子製品
東芝デバイス&ストレージのパワー素子製品
(出所:東芝デバイス&ストレージ)
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