米Xilinxは、FPGA(Field Programmable Gate Array)を搭載したSOM(System On Module)の事業を始める。SOMはサブシステムを実装した小型のボード(プリント回路基板)で、システムのメインボード(キャリアボード)に載せて使うことが一般的である。XilinxはSOMの第1弾として、ビジョン処理向け製品「Kria K26 SOM」を2021年4月20日(米国時間)に発表した。「Kria」は同社のSOM製品のブランドである。
同社はフィールドでカスタマイズ可能なICであるFPGAを開発した企業で、FPGAの提供が本業だ。FPGA応用システム開発の期間や負荷を低減しようと、FPGAそのものに加えて、FPGAを搭載したPCI Expressカード「Alveo」も提供している*1、*2。20年6月にはAlveoをベースにしたビデオトランスコーダー「リアルタイム・ビデオ・アプライアンス」も発表した*3。Alveoやリアルタイム・ビデオ・アプライアンスは、データセンターやクラウドなど、大規模システムへの搭載を見込んだ製品である。それに対して、SOMのKriaは、IoTのエッジで使う機器や小規模なシステムを狙っている。
Kriaの第1弾製品のK26 SOMは、「スマートシティーやスマートファクトリーのAIビジョン処理向けである」(XilinxのChetan Khona氏、産業/ビジョン/医療機器マーケット担当 ダイレクター)。街角などに設置する監視カメラや、工場の生産ラインなどに設置する産業用カメラへの搭載を見込む。Kriaは評価ボードではなく、量産機器に搭載するSOMであり、それに対応する強度や寿命を持つという。