全2058文字
PR

199米ドルでスターターキットを用意

 Xilinxは、K26 SOMの開発/評価に向けて「Kria KV260ビジョンAI スターターキット」(以下、Kria KV260)を199米ドルで用意した。Kria KV260は即日出荷可能である。また、動作温度や保証期間、価格が異なる2つのグレードのK26 SOMを提供する。商用環境向けの「Cグレード」品の動作温度範囲は0~+85℃、2年保証で250米ドル/個。厳しい環境向けの「Iグレード」品の動作温度範囲は-40~+100℃、3年保証で350米ドル/個である。Cグレードの出荷開始は21年5月、Iグレードの出荷開始は21年夏の予定。また同社は、Kriaのバリエーション展開を22年以降に開始する予定である。

新製品のスターターキット(左)と新製品の2つのグレード(右)
新製品のスターターキット(左)と新製品の2つのグレード(右)
(出所:Xilinx)
[画像のクリックで拡大表示]
2022年以降にKriaのバリエーション展開を図る
2022年以降にKriaのバリエーション展開を図る
(出所:Xilinx)
[画像のクリックで拡大表示]

 日本の報道機関向けオンライン会見には、東京工業大学発スタートアップ企業「Tokyo Artisan Intelligence(TAI)」のCEOである中原啓貴氏が登場し、Kria KV260の使い心地を語った。TAIのAI学習用(推論モデル作成)ツール「TAI Compiler」とKria KV260を組み合わせて、AI推論処理を行う系を試作した。同氏は、実際に使ってみて、「Kria KV260は容易に使える」、「同じ処理をFPGAはGPUよりかなり低い消費電力で実行できる」、「FPGAによる処理はレイテンシーが小さい」ことなどが分かったと述べていた。

新製品のスターターキットを評価
新製品のスターターキットを評価
右上は「Tokyo Artisan Intelligence(TAI)」のCEOである中原啓貴氏。(出所:Xilinxのオンライン説明会からキャプチャー。スライドの出所はATI)
[画像のクリックで拡大表示]