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 パイオニアは、2021年4月23日発売のホンダ製小型SUV(多目的スポーツ車)「ヴェゼル」に専用開発のパワーアンプユニットとサブウーファーを供給している(図1、2)。ともに高性能品とし、小型車では珍しい10ch(10チャンネル)の車載音響システムを構成する重要機器だ。新型コロナウイルス感染症の影響で車内を部屋として使うケースが増えている。パイオニアは快適性を高める音響機器で同需要を狙う。

図1 ホンダの小型SUV(多目的スポーツ車)新型「ヴェゼル」
図1 ホンダの小型SUV(多目的スポーツ車)新型「ヴェゼル」
(出所:ホンダ)
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図2 ヴェゼルが搭載する音響システムのイメージ
図2 ヴェゼルが搭載する音響システムのイメージ
(出所:ホンダ)
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 ホンダの新型ヴェゼルは「プレミアムオーディオ」と呼ぶ音響システムを搭載する。車内形状から音の響きや広がりを解析。無駄な反響やノイズを抑えることで演奏者の生音に近い「原音再生」を目指したものだ。米DuPont(デュポン)製のパラ系アラミド繊維「ケブラー」をコーン(振動板)に使うなど、スピーカーの一部に高級仕様品と同じ素材を採用した。

 これらのスピーカーにパイオニア製パワーアンプユニットとサブウーファーを組み合わせて10chの車載音響システムを構成している。「(同様のシステムは)6~8chまでが多く10chは珍しい」(パイオニア)という。特に小型車ではスピーカー10個の搭載空間を確保しにくい。

 パワーアンプユニットは音を増幅する装置で、細かい制御が可能なDSP(デジタル・シグナル・プロセッサー)を搭載した10ch独立駆動型である。音質を向上しつつ、熱設計などの工夫で小さく軽く設計。小型SUVに搭載しやすくした。さらに、アンプユニットの剛性を高めて走行中に発生する振動由来のノイズを抑えた。同じくパイオニアが供給するサブウーファーはスピーカーの一種で低域の音を担う。

 車載音響システムの高性能化を後押しするのが新型コロナ禍における生活様式の変化だ。「3密」(密閉・密集・密接)回避のためクルマによる個人移動が有力な選択肢になり、テレワークの拡大でクルマを仕事場にする人も増えた。車内空間の快適性は重要な競争領域といえる。パイオニアがアンプやサブウーファーを含む車載音響システムで貢献できる余地は大きい。