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 ソニーグループが2021年4月28日に発表した2020年度通期の業績は、純利益が前年比101%増の1兆1718億円となり、過去最高益となった(図1)。好調な業績をけん引したのは、プレイステーション5(PS5)やゲームソフトウエアの販売などのエンターテインメント分野だ。一方で世界的な半導体不足が、同社のビジネスにも影を落としている。

図1 ソニーグループ副社長兼CFOの十時裕樹氏
図1 ソニーグループ副社長兼CFOの十時裕樹氏
(写真:ソニーグループ)
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 好調な業績をけん引したゲーム&ネットワークサービス(G&NS)分野は、売上高が前年比34%増の2兆6563億円、営業利益が同44%増の3422億円と大幅な増収増益となった。ソニーグループは21年度、同分野でさらなる増収を目指しており、PS5の21年度販売目標をPS4の2年目の販売数である1480万台以上とした(図2)。

図2 PS5の販売見通し
図2 PS5の販売見通し
半導体を中心とした部材の確保を通じ、1480万台以上の販売台数を狙う。(出所:ソニーグループ)
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 ただし足元でPS5は、家電量販店などへの供給不足が続く。同社は供給不足の原因の1つとして半導体不足を挙げており、「半導体不足の制約は今年度も継続している。消費者の強い需要に応えられるように部材の確保に努める」(ソニーグループ副社長兼CFOの十時裕樹氏)と語った。

 経営で半導体不足や米中摩擦の影響を大きく受けたのが、イメージセンサーの開発・製造などを中心としたイメージング&センシング・ソリューション(I&SS)分野だ。同分野の売上高は、前年比5%減の1兆125億円、営業利益が同38%減の1459億円と、減収減益にとどまった。

 減収減益の要因の1つは、米中貿易摩擦によって、イメージセンサーの大口取引先である中国華為技術(ファーウェイ)への供給が一時止まるなどの影響が出たためだ。PS5と同様に、イメージセンサーも半導体不足の影響を受けている。「(同製品に利用する半導体部品は)21年度の生産計画分のめどが立っている。ただし半導体不足は長期化する可能性があるため、高付加価値化へのシフトをさらに推進したい」(同氏)とした。

 十時氏は「21年度は顧客基盤拡大を通じて数量ベースでの市場シェアを19年度並みまで引き上げることを想定する。22年度には収益性を回復させる」と説明。同分野の設備投資は21年度に2850億円を予定しており、高付加価値な製品へのシフトなどで生産設備の能力拡張を進めるという(図3)。

図3 イメージセンサーの設備投資
図3 イメージセンサーの設備投資
イメージセンサーの設備投資は2850億円を予定する。製品の高付加価値化などを進めていく。(出所:ソニーグループ)
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