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 米国のスタートアップ(新興)企業、Wisk Aero(ウィスク・アエロ)は2021年5月5日(現地時間)、米BLADE Urban Air Mobility(ブレード)と提携し、同社に対して最大30機の電動の垂直離着陸(eVTOL)機を提供すると明らかにした。BLADEはヘリコプターや小型のプロペラ機を利用して、ニューヨークやロサンゼルスといった都市部での移動サービス(UAM:Urban Air Mobility)を手掛けている。eVTOL機が米連邦航空局(FAA)の型式証明を取得できるのは、早くて24年とみられている。BLADEも同年からeVTOL機による移動サービス開始を目標に掲げている。

WiskのeVTOL機
WiskのeVTOL機
(出所:Wisk)
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 最終的な合意に達した後、WiskがeVTOL機をBLADEが運営する短距離路線に投入する。BLADEがWiskの機体をチャーターして、1時間ごとに料金を支払うという。そのため、機体の保守・運用はWiskが担う。

 Wiskは、19年12月に米Boeing(ボーイング)とeVTOL機の新興企業である米Kitty Hawk(キティホーク)が発足させた合弁企業である。そこに、eVTOL機による移動サービスを開発してきたニュージーランドの関連企業を合流させて、機体開発から移動サービスまで手掛ける企業になった。自律飛行技術の研究開発にも注力している。

 BLADEは14年創業で、ニューヨークに本社を構える。SPAC(特別買収目的会社)を介して米NASDAQに上場すると20年12月に明らかにしている。最近では、eVTOL機を利用したUAMに強い関心を示している。電動化によって、温暖化ガスの削減や騒音の低減のほか、燃費向上や構造の簡素化によるメンテナンス負荷の軽減でコスト削減を狙えるからだ。パイロット不要の自律飛行と組み合わせれば、ヘリコプターに比べて運賃を大幅に削減できる見込みである。同社はWiskの機体だけでなく、用途や路線などに応じて、異なるeVTOL機を使い分ける方針を採る。

 加えて、UAM向けの次世代の運航管理システムやeVTOL機の充電技術の開発を促すためのワーキンググループを立ち上げる。これまでBLADEがUAMで培った経験をWiskが各種開発に生かすという。