米NVIDIA(エヌビディア)は2021年5月11日(米国時間)、ノートパソコン(ノートPC)向けGPUの新製品を発表した。同製品を搭載したゲーム用ノートPCの価格は799米ドルからと安価である。高画質な描画機能や高いフレーム速度、低遅延といったゲームに向く機能を備える。映像編集やビデオ会議に向く機能も搭載した。競合の米AMD(Advanced Micro Devices)のGPUを搭載した標準版「PlayStation 5(PS5)」や「Xbox Series X」といった最新ゲーム機の価格は499米ドル。ゲーム以外にも利用できる分、両ゲーム機に比べてコストパフォーマンス(コスパ)が高いといえそうだ。
新製品は、「GeForce RTX 3050 Ti Laptop GPU」と「GeForce RTX 3050 Laptop GPU」である。ノートパソコン向け「GeForce RTX 30」シリーズとして追加した。同シリーズはもともとデスクトップ向けだったものを、ノートパソコン向けに適応させたものである。
今回追加したRTX 3050 Ti/RTX 3050の2つは、GeForce RTX 30シリーズの廉価版という位置付けになる。それでも、RTX 30シリーズとして最新のアーキテクチャーである「Ampere」を採用しており、以下のような同シリーズの特徴を備える。エヌビディアのレイトレーシング技術「RTX」に対応し、光の伝搬をシミュレートして高画質画像を作り出せる。深層学習ベースの映像処理技術「Deep Learning Super Sampling(DLSS)」に対応し、アンチエイリアシングやフレーム速度の高速化が可能である。映像描画における遅延時間を短縮する技術「NVIDIA Reflex」にも対応。例えば、RTX 3050 Ti搭載ノートPCであれば、人気ゲームにおいて144フレーム/秒以上の速度と25ms以下の遅延時間を達成できるとする。
ビデオ会議向けに「NVIDIA Broadcast」を備える。例えば、室内の反響やペットが立てる音、映像ノイズなどを除去できるという。
エヌビディアによれば、RTX 30シリーズを採用するノートPCは140機種以上に及ぶとする。RTX 3050 Ti/RTX 3050を採用した機種は、パソコンメーカーが21年夏に発売予定だという。