全437文字

 トヨタ自動車で執行役員Chief Technology Officerの前田昌彦氏は、2021年5月12日の決算会見で、コンピューターシミュレーションを使った電池開発の現状について述べた(図1)。電池は負荷が大きくなると、電解液の濃度にバラつきが生じ、劣化が進む。トヨタはこの現象をモデル化している(図2)。「電流、電圧、温度のそれぞれを変化させることで、電池がどのように劣化するのか。基礎実験をやり尽くした」(前田氏)とする。こうして得たデータを基に電池を多重に制御できるシステムを構築し、劣化を抑えている。

図1 トヨタ自動車の決算会見に出席した同社執行役員Chief Technology Officerの前田昌彦氏
図1 トヨタ自動車の決算会見に出席した同社執行役員Chief Technology Officerの前田昌彦氏
(出所:トヨタ自動車)
[画像のクリックで拡大表示]
図2 トヨタは電池の内部状態をモデル化して制御している
図2 トヨタは電池の内部状態をモデル化して制御している
(出所:トヨタ自動車)
[画像のクリックで拡大表示]

 また、同社は開発環境そのものをデジタル化することで、従来よりも少ないリソース、短い期間で開発することを目指している。前田氏は、同社取締役執行役員Chief Digital Officerのジェームス・カフナー(James Kuffner)氏のチームと協力し「デジタル開発の環境を整えていく。情報の流れを整理した上で開発を効率化していくことが重要になる」とした。