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 ヤマハ発動機は2021年5月20日、コネクテッド機能を備えた「つながるバイク」を同年6月28日に日本市場へ初投入すると発表した。第二種原動機付き自転車(原付き二種)のスクーター「NMAX ABS」のモデルチェンジに合わせて同機能を載せる。運転者の個人特性に合わせた情報提供で利便性を高め、他社製品との差異化を目指す。

ヤマハ発動機の新型「NMAX ABS」。コネクテッド機能の搭載で「つながるバイク」とした。(出所:ヤマハ発動機)
ヤマハ発動機の新型「NMAX ABS」。コネクテッド機能の搭載で「つながるバイク」とした。(出所:ヤマハ発動機)
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車両情報をスマホの専用アプリ「YAMAHA Motorcycle Connect(Y-Connect)」経由で確認できる。(出所:ヤマハ発動機のオンライン会見画面)
車両情報をスマホの専用アプリ「YAMAHA Motorcycle Connect(Y-Connect)」経由で確認できる。(出所:ヤマハ発動機のオンライン会見画面)
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 新型NMAX ABSはCCU(コミュニケーション・コントロール・ユニット)を搭載し、通信回線に接続したスマホの専用アプリ「YAMAHA Motorcycle Connect(Y-Connect)」経由で車両情報などを確認できる。

 車両のスロットル開度やエンジン回転数、走行燃費をはじめ、エンジンオイルの交換時期や車載電池の状態などをスマホ画面上で見られる。また、車両の不具合や故障を検出して、検出した時間や位置を知らせる機能もある。位置情報と連携させることで、例えば、広い駐車場のどこに車両を止めたか一目で判別可能になる。

 同社のコネクテッド領域を担当するMC事業部GB統括部MCつながる推進Gの山田宗幸氏は「今後は運転者の行動パターンに基づくツーリング先を提案したり、さまざまな部品交換を提案したりするサービスを検討していく」と語る。

 ヤマハ発は、2030年までにコネクテッド機能を全製品に載せる計画である。東南アジア諸国連合(ASEAN)のインドネシアやタイ、ベトナム、さらには欧州諸国で先行して提供していたサービスを日本に転用。今後はあらゆる地域に広げていく構えだ。

 背景にはバイクの技術競争がクルマと同じく「CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)」にシフトしていることがある。コネクテッド機能は運転者にとっての利便性を高めるだけでなく、蓄積したデータを故障の原因分析や今後の製品開発にも生かせる。

 競合でバイクシェア世界首位のホンダもコネクテッド技術を重要テーマの1つに位置付け、商用バイク向けサービス「Honda FLEET MANAGEMENT(ホンダ フリートマネジメント)」を展開する。こちらは、後付けのTCU(テレマティクス制御ユニット)によって、コネクテッド機能を備えたバイクに変える。稼働率の向上、安全性の向上、労働環境の改善という3つの効果を狙ったサービスだ。

 新型NMAX ABSは、そんなコネクテッド競争におけるヤマハ発の先兵的な存在だ。排気量124ccの水冷4ストローク単気筒エンジンを搭載し、1人乗車時の燃費は46.9km/L(WMTCモード、クラス1)である。同社の原付き二種バイクとしては国内初めてアイドリングストップ機能を搭載し、信号待ちなどでの燃料消費を抑える。

 車両質量は131kg。車両寸法は全長1935×全幅740×全高1160mmである。インドネシアで生産する。