米Qualcomm(クアルコム)は2021年5月19日、オンラインで開催した自社イベント「Qualcomm 5G Summit」にて、最新5GモデムSoC「Snapdragon 778G」を発表した。最先端のゲーミング機能が搭載されており、米Motorola(モトローラ)のほか、中国Honor(オナー)、iQOO(アイクー)、OPPO(オッポ)、Realme(リアルミー)、Xiaomi(シャオミ)の次期スマートフォン上位機種で採用予定となっている。
関連プレスリリース: Qualcomm Announces New Snapdragon 778G 5G Mobile Platform; Showcases Mass Ecosystem AdoptionSnapdragon 778Gの主な機能は下記の通り。
- カメラ機能:ISP(Image Signal Processor、画像処理プロセッサ)を3基搭載するSpectra 570Lを採用。ズーム、広角、超広角の3つのレンズを同時に使った22メガピクセルの画像撮影が可能となっている。10億色超を再現する4K HDR10+での動画撮影機能も搭載し、コントラストなども大幅に改善されている。
- AI:Qualcomm Hexagon 770プロセッサを搭載した第6世代のAIエンジンにより、最大12TOPS(Trillion Operations Per Second、1秒間に12兆回の演算処理)を実現し、前世代のSnapdragon 768Gの2倍となる性能改善を行っている。このAIによりノイズ抑制し、カメラ品質の改善を行うことで、音声通話やビデオ通話時の品質も向上する。低消費電力AIプロセッサを一体化した第2世代のQualcomm Sensing Hubも搭載している。
- ゲーミング機能: Snapdragon 7シリーズ初となるSnapdragon Elite Gamingの新機能、Variable Rate Shading(VRS)とQualcomm Game Quick Touchを搭載。VRSは最高の動画品質を保ちながらGPUの電力消費量を最大40%削減。Qualcomm Game Quick Touchは入力時のレスポンスを従来から20%高速化し、プロレベルのゲーム体験を可能にする。
- 通信機能:Snapdragon X53を採用し、ミリ波とサブ6(6GHz未満の周波数帯)の両方の5Gに対応。ピーク時下り速度3.7Gビット/秒を実現する。このほか、Qualcomm FastConnect 6700も搭載し、最大2.9Gビット/秒のWi-Fi 6をサポートするほか、Wi-Fi 6Eの6GHz帯域にも対応。Bluetooth5.2も使える仕様となっている。Qualcomm Snapdragon Soundで高品質なオーディオ機能も提供する。
- 性能:6nmプロセスを採用し、CPUにはQualcomm Kryo 670、GPUとしてAdreno 642Lを搭載し、前世代から性能をそれぞれ最大40%改善する。
Snapdragon 778G搭載商用端末は、2021年第2四半期からの発売開始が見込まれている。