ドイツBosch(ボッシュ)は、耐用時間が2万時間と長い燃料電池(FC)モジュールを開発し、オンライン開催の「人とくるまのテクノロジー展2021オンライン」(2021年5月26日~7月30日)で公開した。耐久性の高さを武器に、トラックを中心とした商用燃料電池車(FCV)メーカーに売り込む。市場投入は22年から23年を予定する。
開発したFCモジュールは約700点の部品を1つの骨格に組み付けた。水素と酸素の化学反応で発電するFCスタックをはじめ、水素供給に使う部品群や冷却回路、電流供給装置を組み合わせている。定格出力は70kW以上、最大132kWを想定する。出力密度は0.42kW/L。セ氏-25度の低温でも始動できる。「寸法は非公開」(同社)。
同社は世界的なカーボンニュートラル(温暖化ガスの排出量実質ゼロ)需要を捉えて拡販を目指す。水素は利用時に二酸化炭素を排出せず、燃料電池に使うと電気や熱を効率よく得ることができる。再生可能エネルギーを活用して製造すれば脱炭素に貢献できるため、「夢の燃料」と呼ぶ声もある。