「半導体を安定的に調達できるかどうかは、日本の国際競争力を維持するために大事だ」――。ソニーグループが2021年5月26日に開いた経営方針説明会で、同社代表執行役会長兼社長CEO(最高経営責任者)の吉田憲一郎氏は、同日に日刊工業新聞が報じた台湾TSMCとの合弁報道について「コメントは差し控える」とした上で、半導体の安定調達の重要性を語った。
吉田氏によれば「CMOSイメージセンサーのロジックICは、自社の山形工場でも生産しているが、かなりの部分をファウンドリーから調達している」という。「安定した調達は当社にとって非常に重要になる」(同氏)。
CMOSイメージセンサー事業はソニーグループを支える大きな柱の1つだ。投資額は右肩上がりに増加し、2018~2020年度の3年間では5746億円に達する。
今後、CMOSイメージセンサーの需要はさらに大きくなる。なぜなら、用途がモバイルだけにとどまらず、モビリティーやIoTといった領域へ拡大していくからだ。吉田氏は「現在の主要市場はモバイル向けのイメージングだが、今後は車載やIoT向けのセンシングが成長領域になる」と明言する。