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 米AMD(Advanced Micro Devices)のPresident and CEOのLisa Su(リサ・スー)氏は、オンライン開催中の「COMPUTEX TAIPEI 2021」(2021年6月30日まで)の2日目(6月1日)午前中の基調講演(タイトルは「AMD Accelerating – The High-Performance Computing Ecosystem」)に登壇し、台湾TSMCと開発してきた3次元チップレット技術の実用化に言及した ニュースリリース 。21年中にSRAMダイ(チップレット)を縦積みした3次元キャッシュ(以下、3D Vキャッシュ)を、ハイエンドプロセッサーICにL3キャッシュとして搭載する。

登壇したLisa Su氏
登壇したLisa Su氏
手に持つのは3次元キャッシュを搭載したMPUのプロトタイプ。(出所:COMPUTEX TAIPEI 2021の基調講演のビデオをキャプチャー)
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 Su氏は、「AMDはプロセス技術やパッケージング技術で業界をリードしてきた」と述べ、例えば、「TSMCの7nmプロセスで製造するプロセッサーICはすでに30製品以上を発売している」と説明した。TSMCの5nmプロセスで製造するプロセッサーICの開発も予定通りに進んでいて、22年に4製品をリリース予定だとする。プロセス開発で後れを取る競合の米Intel(インテル)との差をアピールした。

プロセスとパッケージングの両技術でのリードをアピール
プロセスとパッケージングの両技術でのリードをアピール
(出所:COMPUTEX TAIPEI 2021の基調講演のビデオをキャプチャー)
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 さらに今回、同氏はパッケージング技術でも競合よりも先を行くことを訴えた。AMDは複数のダイを平置きして1パッケージに収める2.5次元のMPUで、Intelに先んじた*1。例えば、20年10月に発表したデスクトップPC向けMPUの新製品「Ryzen 5000シリーズ」では、8つのZen3コアと32MバイトのL3キャッシュを集積したダイ(CCD:Core Complex Die)を複数個、1パッケージに収めている*2。3D Vキャッシュを使うことで、L3キャッシュの容量を増加させられる。

*1 関連記事:IntelやAMDの先端MPUの陰にチップレット、歩留まり向上の切り札 *2 関連記事:AMD、Zen 3アーキのデスクトップPC向けMPUを11月5日に発売