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 FCAジャパンは2021年6月2日、「Jeep」ブランドの小型SUV(多目的スポーツ車)「コンパス」の部分改良車を発表した。外観の見直しは最小限にとどめ、ADAS(先進運転支援システム)と内装の充実を中心に変更した(図1、2)。価格は346万円(税込み)からで、21年6月26日に発売する。

図1 Jeepの新型コンパス
図1 Jeepの新型コンパス
ADAS(先進運転支援システム)と内装の変更を中心に部分改良した。(出所:FCAジャパン)
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図2 新型コンパスの内装
図2 新型コンパスの内装
10インチの大型ディスプレーを2枚備える。(出所:FCAジャパン)
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 部分改良したのは、17年に量産を開始した2代目コンパス。「Fiat」ブランドとプラットフォームを共用しつつ、4輪駆動(4WD)車としても使えるように強化したものだ。今回、市街地での安全性や快適性を高めることで、“都市型Jeep”の成熟を図った。

 ADASでは、歩行者や自転車の検知に対応する緊急自動ブレーキや車線逸脱警報などに加えて、Jeep車で初搭載となる、死角にいる並走車との衝突回避を図るためにステアリングを自動補正する「アクティブ・レーン・マネジメントシステム」を標準装備した。

 最上位モデルの「Limited(リミテッド)」には、運転者の注意力低下や無反応を検知して警告を発する「ドライバー・アテンション・アラート」を搭載した。車両の挙動を監視し、走行車線からの逸脱やステアリング入力などから運転者の疲労や居眠りを検知する。

最上位モデルの価格上昇は1万円

 内装では、センターディスプレーとメータークラスターの刷新が目立つ。リミテッドと中位モデルの「Longitude(ロンジチュード)」は、これまで8.4インチだったセンターディスプレーを10.1インチに大型化した。FCAジャパン社長のPontus Haggstrom(ポンタス・へグストロム)氏によると、「ディスプレーを制御するハードウエアの処理能力を5倍に高め、より直感的な操作に対応して使いやすくした」という。廉価モデルの「Sport(スポーツ)」は8.4インチのディスプレーを備える。

 メータークラスターはこれまで、機械式のメーターに小型の液晶ディスプレーを組み合わせる形だったが、今回の部分改良で10.25インチの液晶ディスプレーにした(図3)。ADAS機能が充実すると運転者に伝える情報が増えるため、大型ディスプレーの採用が必要だったようだ。スポーツには7インチのディスプレーを使う。

図3 新型コンパスのメータークラスター
図3 新型コンパスのメータークラスター
(出所:FCAジャパン)
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 パワートレーンは、スポーツとロンジチュード、リミテッド共通で排気量2.4Lで直列4気筒のガソリンエンジンである。変速機は、スポーツとロンジチュードは6速AT(自動変速機)、リミテッドは9速ATを組み合わせる。駆動方式は、リミテッドのみ4WDで、他はFF(前部エンジン・前輪駆動)。価格は、スポーツが346万円で、従来モデルからの価格上昇は10万円。ロンジチュードは385万円で、同2万円。リミテッドは435万円で、1万円の上昇にとどめた。