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 日産自動車は2021年6月4日、SUV(多目的スポーツ車)タイプの新型電気自動車(EV)「アリア」の予約販売を日本で開始した。予約販売を始めたのは日本専用の特別限定車(以下、日本仕様車)で、容量の異なる2種類のリチウムイオン電池パックと2種類の駆動方式を組み合わせた4グレードを用意した。今冬から順次、納車を始める予定だ(図1)。

アリア
図1 新型EV「アリア」(日本専用の特別限定車)
(出所:日産自動車)
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 日産は日本に続き、欧州と米国でも順次、新型EVの予約販売を開始する計画である。日本と同様、両地域でも仕向け地ごとに仕様を変える。初年度の年間販売台数は、グローバルで数万台を見込んでおり、EVシフトが進む欧州での販売が最も多くなるとみる。

 同日にオンライン開催した発表会で、日産副社長の星野朝子氏は、「台数ありきの販売目標は設定しなかったが、できるだけ多く販売できるようにしたい」と述べた(図2)。現時点でEVは、多くの販売が見込みにくいといった事情もあるようだ。

星野朝子氏
図2 日産自動車副社長の星野朝子氏
(オンライン発表会の画面をキャプチャー)
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 新たに開設した世界共通の専用Webサイトを通じて予約販売を始めた日本仕様車「アリア limited」は前述したように、総電力量(容量)が66kWhと91kWhのリチウムイオン電池パックと、2WD(前輪駆動)と4WD(全輪駆動)「e-4ORCE」の駆動方式を組み合わせる。

 このうち、66kWhの電池パックと2WD方式を組み合わせたグレードの航続距離は450kmであり、91kWhの電池パックと2WD方式を組み合わせたグレードの航続距離は610kmに達する。

 駆動用モーターは、2WD車と4WD車で同じ製品を使う。同モーターの最高出力と最大トルクが4グレードで異なるのは、モーターの作動電圧の違いによる()。

日本仕様車の主要諸元
表 日本仕様車の主要諸元
日産自動車の発表データを基にして日経Automotiveが作成。
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