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 米Apple(アップル)は2021年6月7日(現地時間)に開幕した開発者会議「WWDC21」において、21年秋にリリース予定のiPhone向けの新しいOS「iOS 15」を発表した。先行するデジタルキーの機能を拡張し、生活必需品としての側面を強化するほか、ビデオ会議や地図機能などで競合をキャッチアップ、あるいはそれを上回る機能を盛り込んで利便性を高める。

 デジタルキーでは、クレジットカードやチケットなどを管理するアプリ「Apple Wallet」を、自動車の解錠から身分証、ホテルや家の鍵の管理など、生活のあらゆる側面で使えるように機能を拡張する。

iOS 15でUWBを活用した自動車の鍵になる
iOS 15でUWBを活用した自動車の鍵になる
(出所:WWDC21での基調講演をキャプチャーしたもの)
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 アップルは20年からiPhoneを自動車の鍵にする「CarKey」機能の提供を始め、Apple Walletから管理できるようにしている。20年は近接無線規格「NFC」を利用していたが、21年のiOS 15から「UWB(超広帯域無線)」も利用可能になる。UWBはアップルが精力的に導入を進めている機能で、19年発売の「iPhone 11」シリーズで、スマートフォンとして初めてUWBを搭載した。UWBでは高精度な位置検出が可能なため、NFCのように端末をドア付近にかざすことなく、端末をかばんに入れたまま、自動車の扉のそばに近づくだけで解錠できる。CarKeyに最初に対応したドイツBMWだけでなく、他の自動車メーカーも21年後半からUWBによるCarKey機能に対応するという。

 加えて、身分証もデジタル化する。21年秋から、米国ではいくつかの州で運転免許証や州のIDカードを取り込んで、Apple Walletで管理できるようにする。米国運輸保安局(TSA)が、空港の保安検査場でApple Wallet内のデジタルIDカードを利用できるようにするという。

Apple Walletに運転免許証といった身分証を取り込んで管理できる
Apple Walletに運転免許証といった身分証を取り込んで管理できる
(出所:アップル)
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 このほか、Apple Walletで戸建てや集合住宅、ホテルなどの鍵を管理できる。さらに、社員証を登録可能で、iPhoneでオフィスに入退室できるようになる。ホテルでは、米ハイアット・ホテルズが21年秋から世界中にある1000以上の施設で導入するという。

ホテルの鍵もWalletで管理できる
ホテルの鍵もWalletで管理できる
(出所:アップル)
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