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 日産も同様の考えだ。3眼カメラの搭載は、運転支援機能「プロパイロット2.0」を採用するセダン「スカイライン」や新型電気自動車(EV)「アリア」に絞っている。プロパイロット2.0は、高速道路上の同一車線内での手放し運転を可能とする機能「ハンズオフ」と、「車線変更支援機能」に対応する。中型SUV(多目的スポーツ車)「ローグ」などは、S-Cam4シリーズの単眼カメラを選択した。

 では、トヨタはどうか。同社が初採用するZFのカメラは単眼であることが分かった(図3)。画素数は約100万で、視野角は水平100度。

図3 ZFの単眼カメラ
図3 ZFの単眼カメラ
画素数は約100万で、視野角は水平100度。(出所:ZF)
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 ZFはカメラに加えて、77GHz帯のミリ波レーダーもトヨタに供給する。このミリ波レーダーは車両の速度ごとに検知範囲を変えるのが特徴。高速度域での検知距離は最大220mと長い。中速度域では約154m、低速度域では約90mと、検知距離を短くする代わりに角度を広げるように制御する。

 ZFの単眼カメラやミリ波レーダーの搭載でトヨタが目指すのが、交差点での事故をできるだけ低コストに防ぐことである。自動ブレーキ機能を評価するEuro NCAPは交差点での出合い頭の事故を想定したシナリオを23年に追加する見込み。ZFの単眼カメラは、筐体(きょうたい)に放熱フィンを配置することで「高コストな冷却ファンを搭載しなくても画像処理チップの発熱に対応できる」(ZFの技術者)。

 普及価格帯の車両を単眼カメラにする方針はBMWや日産と同じだが、高度な運転支援システムでは違いが出た。トヨタは3眼カメラではなく、前方監視カメラを“4眼”にした。

 21年4月に発売した高度運転支援技術「Advanced Drive(アドバンストドライブ)」を搭載する高級車「レクサスLS」とFCV(燃料電池車)「MIRAI(ミライ)」は、ステレオカメラ1台と2台の単眼カメラを積んだ。高速道路や自動車専用道路の本線上の走行を支援する同機能には、4眼が必要だと判断した。前方の状況を把握することに加えて、自車位置を推定する用途でカメラ情報を使う。