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 米Texas Instruments(テキサス・インスツルメンツ、TI)は、産業機器などに向けた逐次比較(SAR:Successive Approximation Register)型A-D変換器ICの新ファミリー「ADC3660ファミリー」を発表した ニュースリリース 。今回、第1弾として8つの製品を市場に投入した。分解能は14ビットと16ビット、18ビットの3種類。最大サンプリング速度は10M~125Mサンプル/秒(SPS)の範囲である。特徴は、分解能とサンプリング速度を高めたと同時に、消費電力を低く抑えたこと。具体的な応用例は、高速データ収集機器や産業用モニタリング機器、携帯型産業機器、ソフトウエア無線(SDR:Software Defined Radio)対応機器、通信インフラ機器などである。

日本の報道機関向けオンライン説明会に登壇したTIのMatthew Hann氏(Product Line Manager, High Speed Data Converters)
日本の報道機関向けオンライン説明会に登壇したTIのMatthew Hann氏(Product Line Manager, High Speed Data Converters)
(出所:オンライン説明会動画からキャプチャー)
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逐次比較型A-D変換器8製品を一気に発表
逐次比較型A-D変換器8製品を一気に発表
(出所:Texas Instruments)
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 8つの製品の中で、最も高いサンプリング速度は「ADC3664」の125Mサンプル/秒である。このICは分解能が14ビットのA-D変換回路を2個集積した2チャネル品。今回開発したSAR型はA-D変換処理が1クロックで完了するため、レイテンシーは8nsと短い。「競合他社品と比べて、レイテンシーを最大で80%短縮できる」(同社)という。このため電圧や電流を監視し、その結果に応じて産業機器を制御するデジタル制御ループに適用すれば、電圧/電流スパイクなどの異常現象に8nsと短い時間で対処できるようになる。ノイズスペクトル密度は-156.9dBFS/Hz。消費電力は1チャネル当たり100mWである。

125Mサンプル/秒と高速な「ADC3664」の概要
125Mサンプル/秒と高速な「ADC3664」の概要
(出所:Texas Instruments)
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デジタル制御ループに向く
デジタル制御ループに向く
(出所:Texas Instruments)
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