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 これらの特徴を武器に、日本の軽自動車、欧州「L7e」規格、中国「LSEV(低速EV)」など質量1.2tまでの小型EVへの供給を目指す。「さらに幅広い要望に対応するため最高出力を25kWに高めたモデルも開発中だ」(同社)という。

 試作車は、最高速度100km/h、1充電当たりの航続距離100kmを目指して開発した。荷台下に搭載するリチウムイオン2次電池パックは電圧48V、容量26kWhの他社からの調達品である。

 一方で、DC-DCコンバーターはValeo製。既に量産済みの標準設計品で、同社の第1世代品に相当する出力1.8kWのものだ。駆動用モーター機構と同じく出力向上を目指して開発を継続しており、目安を同3.5kWに設定している。

 今後はより小さい車格への適用も視野に入れる。例えば、欧州「L6e」規格や、電動スクーターや電動3輪車といった質量0.7tまでの電動車を念頭に、最高出力12kWの駆動用モーター機構「48V eAccess」を開発中である(図2)。同社製ベルト駆動式スターター・ジェネレーターをベースとし、インバーターと減速機を組み合わせる。ハイブリッド車(HEV)用の部品流用でより安価に造れる。

図2 最高出力12kWの駆動用モーター機構
図2 最高出力12kWの駆動用モーター機構
欧州「L6e」規格、電動スクーターや電動3輪車への適用を想定する。(出所:ヴァレオジャパン)
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■変更履歴
ヴァレオジャパンからの申し入れにより、搭載する2次電池パックについて説明を変更しました。記事公開当初は「荷台下の左側部に搭載する2次電池パックは電圧12V、容量26kWh」としていましたが、「荷台下に搭載するリチウムイオン2次電池パックは電圧48V、容量26kWh」としました。本文は変更済みです。