米Tesla(テスラ)は、2021年6月19~25日にオンラインで開催された画像認識技術の国際学会「CVPR 2021」で、運転支援システム「オートパイロット」や自動運転機能に向けたDNN(Deep Neural Network)のトレーニング(学習)に利用する自社スーパーコンピューターを披露した。演算処理性能は1.8E(エクサ)FLOPS(フロップス)に達する。このスパコンで採用したのが、車載コンピューターで「因縁」がある米NVIDIA(エヌビディア)のGPUである。
テスラはかつて、電気自動車(EV)の車載コンピューターにエヌビディア製のプロセッサーを搭載していた。ところが、テスラが自らプロセッサーを開発し、19年春から順次、置き換えた。つまり、エヌビディアは失注した。追い打ちをかけるように、テスラは発表会の場で、エヌビディア製品と演算処理性能を比較し、自社の優位性をアピールした。すると翌日、その比較が正しくないとエヌビディアが異を唱えるなど、両社の間には険悪なムードが漂った。