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 ドイツVolkswagen(フォルクスワーゲン、VW)は2021年7月5日、電気自動車(EV)「ID.ファミリー」にOTA(Over The Air)によるソフトウエア更新を初めて実施すると発表した。最新バージョンのソフト「ID.Software2.3」の配布を同月中に開始する予定である(図1)。

図1 OTAで初のソフト更新へ
図1 OTAで初のソフト更新へ
車室内の照明システム「ID.Light」の機能強化やインフォテインメントシステムの操作性の向上などを実施する。(出所:VW)
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 最初にOTAを実施するのは、20年9月に納車が始まった量販EV「ID.3」である。ID.3に続けて、VWのEV専用プラットフォーム「MEB(英語名:Modular electric drive matrix、ドイツ語名:Modularen E-Antriebs-Baukasten)」を採用する「ID.4」と「ID.4 GTX」も、無線通信によってソフトをID.Software2.3に更新していく。

 VWはID.ファミリーのEVのOTAを継続的に実施していく予定である。VWの乗用車ブランドでCEO(最高経営責任者)を務めるRalf Brandstaetter(ラルフ・ブランドシュテッター)氏は「将来的には12週間ごとにソフトを更新し、新しい機能や優れた快適性を備えたデジタル体験を提供していく」と意気込む。

 今回のOTAでは、車室内の照明システム「ID.Light」の機能強化や周辺監視システムやヘッドランプの改善、インフォテインメントシステムの操作性やデザイン性の向上など行う。

 OTAの実現を支えるのは、VWがID.ファミリーから採用を始めた「E3」と呼ぶE/E(電気/電子)アーキテクチャーである。「ICAS(In Car Application Server)」と名付けた統合ECU(電子制御ユニット)を中核に据えることで従来のアーキテクチャーからECUの搭載数を減らし、OTAを実行しやすくした(図2)。VWによるとE3は、最大で35個のECUをOTAでソフト更新できるという。

図2 ID.ファミリーの車両ネットワーク
図2 ID.ファミリーの車両ネットワーク
助手席側のインストルメントパネル内部に統合ECUのICASを搭載する。なお、画像は左ハンドル車。(出所:VW)
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