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 ソフトバンクは、2022年中に開始予定の衛星通信を使ったIoT(Internet of Things)向け通信サービスを、月500円以下で提供する計画であることがわかった。現在の衛星通信サービスは月5000〜数万円の通信料がかかることが多く、他社の10分の1という価格破壊になる。地上の基地局経由の通信では圏外になることが多い海上船舶の位置把握や、山林の建機の稼働状況などでの利用を想定する。ソフトバンクは衛星通信サービスを海外展開する計画で、海外ビジネスを拡大する起爆剤にする考えだ。

 月500円以下のIoT向け衛星通信サービスは、ソフトバンクが21年6月に提携を発表した、米新興企業であるSkylo Technologies(スカイロテクノロジーズ、以下Skylo)の技術を活用する。Skyloの特徴は、「衛星版MVNO(仮想移動体通信事業者)」(ソフトバンク)というべき、ビジネスモデルを持つ点だ。

 Skyloは人工衛星を自ら所有せず、高度3万6000kmにある静止軌道衛星を運用する英Inmarsat(インマルサット)から衛星通信の帯域を借りてサービスを提供する。さらに、IoTを対象に帯域を絞り、1回線当りの通信速度を20kビット/秒と抑えることで破格値を実現する。

 高度3万6000kmの上空からエリアを作るため、これまで圏外となっていた海洋や山林を通信エリアにできる。さらに日本国内にとどまらず海外もサービスエリアになる。高速通信や低遅延を求めず、グローバルで安価にセンサー類の定期的な確認を求めるニーズなどに応える。

 Skyloは既にインドでIoT向け衛星通信サービスを開始しているという。ゲートウエイ機器となる「Skylo Hub」を使って衛星からの電波を送受信し、同機器を介してユーザーはBluetooth Low Energy(BLE)やWi-Fiで通信する。Skylo Hubは手に持てるほどのサイズで、価格も安価にする計画だ。他社の同様デバイスが10万円近い価格のところ、Skylo Hubは3分の1程度の価格にする考えという。