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 「会社を変えるための投資だ」。2021年6月24日にパナソニックの代表取締役社長に就任した執行役員CEOの楠見雄規氏は7月8日、報道関係者の合同取材に応じ、21年4月に最終合意したサプライチェーンソフトウエアを手掛ける米ブルーヨンダー(Blue Yonder)の買収についてこう述べた()。同企業の全株式取得には総額71億米ドル(約7700億円)の資金を必要とするが、買収の決断には米テスラ(Tesla)株の売却益の存在が大きく寄与したことも明かした。

図 パナソニックの代表取締役社長に就任した執行役員CEOの楠見雄規氏
図 パナソニックの代表取締役社長に就任した執行役員CEOの楠見雄規氏
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 「『お前が反対するなら俺はやらない』、津賀社長にそう伝えられた」。楠見氏はブルーヨンダー買収前の津賀一宏社長(当時)とのやり取りについてそう発言した。楠見氏は20年10月に社長就任の内示を受けており、その時点では社長でなかったものの、今後の自らの経営に大きな影響を受ける事案であるため、「何のためにブルーヨンダーを買収するのか自分事で判断した」(楠見氏)という。その過程で、パナソニックの社内カンパニーであるコネクティッドソリューションズ社社長の樋口泰行氏の提案を受けて、ブルーヨンダーのソフトウエアを導入している現場なども見に行っている。

 ブルーヨンダーは製造や流通、小売りを手掛ける企業に対してサプライチェーンソフトウエアを提供する。パナソニックは自社が保有する製造現場でのノウハウや画像認識技術などと、在庫管理や供給計画といった顧客業務を支援するブルーヨンダーの技術力を組み合わせることで、生産現場を見える化し、省エネルギーや資源の無駄遣い抑制といった環境負荷低減などの実現を狙っている。