米Marvell Technology(マーベル テクノロジー)は、DPU(Data Processing Unit) ICの新製品「OCTEON 10ファミリー」を発表した ニュースリリース 。台湾TSMCの5nmプロセス「N5」で製造する。「5nmプロセスで造られるDPUは今回の新製品が初めて」(Marvell)という。OCTEON 10は同社にとって第7世代のDPUに当たる。
Marvellによれば、DPUは、主にCPUコアとアクセラレーター(特定の演算を実行する専用回路)、高速インターフェースからなる。以前のDPUは、エンタープライズ向けネットワーク装置でネットワーキング処理やセキュリティー処理を担っていた。最近はさまざまなワークロードをクラウド上で実行するケースが増え、サーバーのCPUから重いデータ処理をオフロードするアクセラレーターとしてDPUの活躍の場が広がっているという。新製品は、伝統的なネットワーキングやセキュリティーはもちろんのこと、ストレージや5G(第5世代移動通信システム)、ビデオといったさまざまなワークロードも扱えるように設計したとする。
OCTEON 10はArmv9アーキテクチャーのサーバー向けCPUコア「Arm Neoverse N2」(動作周波数は最大2.5GHz)*を最大で36個集積する。このCPUコアの採用とN5プロセスでの製造によって、新製品は既存のOCTEON製品と比較してCPUコアの処理性能を3倍にしながら、消費電力は半減したという。OCTEON 10には、機械学習/AI推論処理のアクセラレーターを集積する。ソフトウエアによる推論に比べて処理速度は100倍を超えるという。
* 関連記事 Arm、5nmプロセス前提のサーバー向けCPUコアを2製品発表さらに、今回のOCTEON 10は、ベクトル型パケット処理(VPP:Vector Packet Processing)アクセラレーターも集積しており、パケット処理速度を5倍以上に向上できるとする。このほかに1Tビット/秒のEthernetスイッチや最大36MバイトのL2キャッシュ、最大72MバイトのL3キャッシュ、最大8ポートのPCI Express Gen5インターフェース、DDR5対応のメモリーコントローラー、56Gビット/秒のSerDesなどを集積している。