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 韓国化学大手の暁星(ヒョソン)が約1400億円を投じたポリプロピレン(PP)の新工場が2021年8月に完成する。生産能力は年産60万tとPPを造る工場としてはベトナムで最大規模。BCP(事業継続計画)の観点から樹脂の調達を分散したい日本の企業の需要を取り込み、日本へ輸出するPPメーカー内でトップを目指す。

韓国暁星のベトナム工場
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韓国暁星のベトナム工場
(出所:暁星ジャパン)

 新工場はベトナム東南部のバリア・ブンタウ省に建設した。PPを年間約30万t生産できる暁星ベトナム第1工場は20年1月に稼働を始めており、21年8月に同じく年間30万tのPPを造れる暁星ベトナム第2工場が稼働する。

 新工場の強みは、PPを比較的低コストで安定生産できることだ。低コストの理由の1つは、製法にある。同社はプロパンガス(C3H8)からプロパン脱水素設備を使って水素(H2)を抜き、プロピレン(C3H6)を造る。暁星ジャパンの化学チームで統括部長を務める金容萬氏は「日本で主流の、ナフサ(粗製ガソリン)を分解・精製するプロピレンの製法と比較すると、生産コストを1割以上抑えられる」と話す。

 プロパンガスからPPまでの一貫した生産体制を築いた点も強みとなる。同社は米国や中東からプロパンガスを調達する。ガスを滞りなく調達するために、プロパンガスの専用船が停泊する埠頭を新たに整備した。工場にはプロパンガスを貯蔵するタンクを備え、安定して工場に原料を投入できる体制を整えた。