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 NTTドコモは2021年7月15日、5G(第5世代移動通信システム)を活用した法人ソリューションビジネスを早期に数十億円規模に拡大する考えを明らかにした。5Gを活用したソリューションを企業が体験できる場を21年度内に全国50拠点に設置するなどしてビジネス拡大を急ぐ。携帯電話各社は政府による値下げ圧力によって、主力の一般消費者向けビジネスが曲がり角を迎えている。次なる成長分野の一つとして、法人分野の競争が激しくなってきた。

 同日開催したNTTドコモの法人向け5Gイベントで、同社常務執行役員法人ビジネス本部長の坪内恒治氏が目標を明らかにした。

法人向け5G商用案件のうち、映像関連が7割近くを占める
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法人向け5G商用案件のうち、映像関連が7割近くを占める
(出所:NTTドコモ)

 NTTドコモは20年3月の5G商用化以降、全国で約300件の法人や自治体向けに5Gを活用したサービスや実証を手掛けてきた。そんな5Gを活用した法人向け商用案件のうち、映像伝送が35%、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)などのXRが28%と、映像関連のニーズが高いことが分かったという。

 そこでNTTドコモは、リュックに背負えるサイズの4K映像・中継ソリューション「LiveU」や、自由視点映像配信ソリューション「SwipeVideo」など、5Gを活用した法人向け映像ソリューションを続々と増やしている。

米Google(グーグル)の軽量グラス型ウエアラブルデバイス「Glass Enterprise Edition 2」を法人向けに新たに発売する
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米Google(グーグル)の軽量グラス型ウエアラブルデバイス「Glass Enterprise Edition 2」を法人向けに新たに発売する
(出所:会見の様子をキャプチャー)

 XR分野では、遠隔作業支援のニーズが約7割と非常に高く、さらにデバイスの軽量化へ要望も高いことからサービスを拡充する。具体的には、米Google(グーグル)のグラス型ウエアラブルデバイス「Glass Enterprise Edition 2」を21年8月10日から発売する。Glass Enterprise Edition 2は、重さが約46gと軽量である点が特徴だ。

 NTTドコモの坪内氏は、5Gに特化した法人ソリューションビジネスの現況について非開示としたものの「20年度の法人ソリューションビジネス全体の収益は1000億円を超えた。まだ5Gの割合は少ないものの今後、5Gのエリア拡大とともに急速に広がると考えている」と語った。

 NTTドコモは18年10月に公表した中期経営計画で、21年度までに法人ソリューション収益を1200億円に拡大する目標を掲げている。ドコモの法人ソリューション収益の実績は18年度に730億円、19年度に890億円と着実に成長を続けている。一方、ライバルのKDDIやソフトバンクの法人事業も急速な伸びを見せており、競争が激しくなっている。