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 村田製作所はみなとみらいイノベーションセンターの地下2階に構築する電波暗室を、21年10月に稼働させる計画である。長さ21×幅11×高さ8mと広く、世界中の主要な電磁波規制の試験が可能ないわゆる「10m法電波暗室」となる。

 実際の走行状態を模擬した環境で、車載部品に対するEMC(電磁両立性)試験が可能(図5)。EMCとは電子部品から放出される電気的ノイズを抑えるEMI(電磁妨害)性能と、周囲からの電気的ノイズによって電子部品が影響を受けないEMS(電磁妨害感受)性能の2つを指す。シャシダイを駆動・制御するモーターや電源装置もノイズ源になり得るため、「ノイズ対策を施したカスタム品を採用した」(村田製作所)という。

図5 ノイズ対策が必要な電子機器は増加の一途
図5 ノイズ対策が必要な電子機器は増加の一途
村田製作所は1年に1台のペースで自動車の分解調査を実施している。車載電子機器の進化の方向性や自社製品の使われ方などを把握するためだ。
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 村田製作所はこれまで、モジュール単体でのEMC(電磁両立性)試験を実施し、必要なノイズ対策を講じてきた。だが、実際の走行環境ではノイズ対策が設計通りに機能しないこともあり、原因の特定や追加の対策に多くの時間が必要だった。走行環境でEMC試験を実施した自動車メーカーから具体的な修正箇所(原因の特定や対策)が示されることが少ないことも、手戻りが増える一因となっている。

 自社でシャシダイ付きの大型電波暗室を保有することで、「ノイズ影響の原因を突き止めやすくなり、対策の正解率が上がる」(川平氏)。さらに、走行環境での車両状態に関する知見を蓄積することで、「先回りした提案をできるようにしたい」(同氏)と意気込む。