トヨタ自動車は新型の小型ハイブリッド車(HEV)の先進運転支援システム(ADAS)用センサーとして、ドイツContinental(コンチネンタル)の単眼カメラとミリ波レーダーを採用したことが分かった(図)。トヨタの小型車「ヤリス」とシステムを共用する。
アクアは、トヨタのADAS「Toyota Safety Sense(TSS)」の最新版を標準搭載する。単眼カメラとミリ波レーダーは前方監視用で、交差点の右折時の対向車に対応した自動ブレーキや全車速追従機能付きACC(先行車追従)などに使う。
今後は三つどもえの受注合戦に
トヨタはADASセンサーを、車種や仕向け地ごとに異なる部品メーカーから調達している。例えば21年4月に発売した高度運転支援技術「Advanced Drive(アドバンストドライブ)」を搭載する高級車「レクサスLS」とFCV(燃料電池車)「MIRAI(ミライ)」は、デンソー製のカメラとミリ波レーダー、LiDAR(レーザーレーダー)を採用した。
コストが優先される小型車の領域ではContinentalが存在感を示す。ヤリスは価格が139万5000円(税込み)からと安価ながら、Continentalの単眼カメラとミリ波レーダーを使うTSSを標準搭載する。小型車SUV(多目的スポーツ車)「C-HR」や中型セダン「カムリ」も同様のセンサーを採用した。
アクアは、世界で販売するグローバル車に多く使うことでコストが抑えられた単眼カメラとミリ波レーダーを活用した格好だ。アクアとヤリスが、トヨタの車両開発手法「TNGA(Toyota New Global Architecture)」に基づく小型車向けプラットフォーム「GA-B」を共用する点も、センサーの流用に寄与した。
トヨタは今後、ADASセンサーの調達において更なる競争原理を持ち込む方針だ。デンソーとContinentalに続く第三極となるのが、ドイツZFである。ZFはイスラエルMobileye(モービルアイ)の画像処理チップを搭載した車載カメラを用意。ZFのミリ波レーダーと共に、数年以内のトヨタに供給することが決まっている。