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Q8:災害対策で標準搭載したシステムは?

 新型アクアは、災害時向けの外部給電機能「非常時給電システム」を全車に標準装備した(図3)。燃料が満タンの状態で、一般家庭の約5日分の電力を賄えるという。トヨタ社長の豊田氏は同機能について、「災害時に運転者が周囲の助けになれる」と自信を見せた。

図3 「非常時給電システム」の操作手順
図3 「非常時給電システム」の操作手順
ブレーキペダルを踏まずに電源スイッチを2回、AC100Vスイッチを3回押して、コンセントを挿す。付属の外部給電用のアタッチメントを使うと、ドアや窓を閉めたまま電源コードをつなげる。(出所:トヨタ自動車)
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 外部給電機能を標準搭載した背景にあるのは、トヨタがアクアを東日本大震災からの復興の象徴と位置付けるからだ。初代アクアの生産がトヨタ自動車東日本の岩手工場(岩手県金ケ崎町)で始まったのは東日本大震災の直後。新型車も同工場で生産しており、同社社長の宮内一公氏は、「今後も震災復興と東北経済の回復を象徴する存在でありたい」と力を込める。

Q9:「快感ペダル」は日産自動車の「ワンペダル」と同じもの?

 回生力を利用して強い減速感を出す機能で、基本的には日産自動車の「ワンペダル」と同じ。アクセルペダルを緩めるだけで回生によって減速度を増大させ、滑らかに減速する。アクセルとブレーキのペダルを踏みかえる頻度を減らせる。

 トヨタ車として今回が初採用となる快感ペダルは、「POWER+モード」を選択すると作動する。通常の走行モードに比べて「最大約2倍の減速度」(トヨタ)を発揮するという。

 それでも、「(日産のワンペダルなど)他社の同様の機能よりも減速を緩やかにしてある」(鈴木氏)のがトヨタの快感ペダルの特徴だ。理由は、「助手席の人が酔わないようにするため」(同氏)である。ワンペダルは運転者にとって便利な機能である一方で、急減速によって同乗者が車酔いする原因にもなり得る。トヨタは「自然な減速感を重視して調整した」(同氏)。

Q10:新型アクアに採用された主要部品のサプライヤーは?

 Q7で説明したように、ニッケル水素電池のサプライヤーは豊田自動織機である。先代アクアはプライムアースEVエナジー(PEVE)製の電池を採用していた。トヨタと豊田自動織機は16年から実用化に向けた検討を進めてきた。

 電子制御シフトやインバーター冷却用のポンプはアイシン製である。今回アイシンが開発した電子制御シフトの特徴は、モーターと減速機、ECU(電子制御ユニット)、センサーを一体化したユニットに仕上げた点だ。ポンプはアイシンの従来品と同じ大きさながら、出力を約1.5倍まで、システム効率を約30%向上させた。

 先進運転支援システム(ADAS)用センサーは、ドイツContinental(コンチネンタル)の単眼カメラとミリ波レーダーを採用した。ヤリスとシステムを共用する。アクアは、世界で販売するグローバル車に多く使うことでコストが抑えられた単眼カメラとミリ波レーダーを活用した格好だ。